業界NEWS:「外食アレルギー対応協会」設立 ノウハウを集約し、確実な対応を

2025.03.03 553号 09面
田ヶ原絵里代表理事(前列左から2人目)と発起人

田ヶ原絵里代表理事(前列左から2人目)と発起人

 「アレルギー対応の基礎をつくり、安全な外食を実現して生活者と事業者をつなぐ」をビジョンに掲げ、昨年12月に設立した「一般社団法人外食アレルギー対応協会」が2月、設立会見を行った。医療や患者視点のアレルギーに関する協会はあるが、外食視点の協会は日本初だ。

 田ヶ原絵里代表理事は「食物アレルギーを有していると自覚する人は15.8%に上り、外食業界では日々多くのアレルギーに関する問い合わせや申告が寄せられている。特定原材料等の表示義務化が進んでいるが、外食現場ではアレルギー情報提供が義務化されていない状況で各社が独自に取り組みを行い、誤食事故が絶えない。外食業界のアレルギー対応強化が急務だ。当協会は、外食事業者が独自で培ってきたアレルギー対応ノウハウを集約し、レベルアップを図ることを目的としている。人手不足が深刻化する中、効率的かつ確実な対応を実現するための支援を行う」と設立趣旨を語った。

 具体的な取り組みは、(1)事業者横断型アレルギー対応研修会の開催(年2回程度。第1回は9月を予定)(2)アレルギー対応ポリシーのひな形策定(今年度は日本版のみ。来年度は英語版も策定予定)(3)飲食事業者向けアレルギー対応資格試験の設立–の3つ。これらで得た知見は農林水産省、消費者庁に情報提供し、共有化を図る。

 会員は当面は飲食店、ホテル・宿泊施設、旅行代理店の法人に絞る。年会費は3万円。食品メーカーとは研修会で試食場面を設けるなどして情報交換を進めていく。

 設立発起人(氏名五十音順)は次の各氏。

 ▽NPO法人アレルギーっこパパの会・今村慎太郎理事長▽東京海洋大学・小川美香子准教授▽ジェイアール西日本ホテル開発・木村実根子執行役員▽八芳園・香山浩一料理長▽CAN EAT・田ヶ原絵里CEO▽優久・辻正博料理長▽ザ・リッツ・カールトン日光・中村健介総料理長▽シャングリ・ラ東京・原島正彦衛生管理マネージャー チーフスチュワード▽あてま高原リゾートベルナティオ・三橋正俊総料理長▽ザ・リッツ・カールトン日光・森山利 スチュワーデイング衛生管理マネージャー▽日本旅行・吉田一成執行役員事業共創推進本部長

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