多忙でも読める外食ニュース

2025.09.01 559号 14面

 ●TGIフライデーズ 4年ぶりの出店

 ワタミグループが運営する米国発のカジュアルダイニングバー「TGIフライデーズ」が、4年ぶりに新店を出店した。店舗は、神奈川県横浜市にある文化施設「神奈川芸術劇場」の屋外に面した1階。フランチャイズ展開に向けて新デザインを導入したモデル店舗であり、店舗規模はさほど大きくないが、ペット同伴も可能な20席のテラス席も用意されている。同店を含めて、同ブランドは日本国内に13店舗。横浜市内にはすでに2店あり、同店は3店舗目となる。

 解説=「TGIフライデーズ」は1965年にニューヨークで創業。98年にワタミと契約を交わし、翌年に日本1号店を出店した。米国の法人は昨年11月に破綻したが、日本国内の店舗は引き続きワタミが運営を続けている。

 ●「しゃぶ葉」銀座にグローバル旗艦店

 すかいらーくグループのすかいらーくレストランツが運営する和食ブランド「しゃぶ葉」が、東京・銀座の商業施設内に初のグローバル旗艦店を出店した。同ブランドはインバウンド観光客からの評価も高いため、同店では海外で人気の高い個性的な日本酒を取り揃え、ひとり1万円を超えるずわい蟹の食べ放題コースを用意するなど、インバウンド客を強く意識している。また、新しく京町家風のデザインを採用して日本らしさを演出。このデザインは今後、海外店舗にも導入する予定という。

 解説=すかいらーくグループは、インバウンドの回復や「資さんうどん」のM&A効果などがあり、直近の四半期決算で大幅な増収増益を計上した。グループのニラックスが展開する新業態「ペルティカ」も積極的な出店を見せている。

 ●芝浦特区のタワービルに巨大飲食ゾーン開業

 野村不動産とJR東日本が推進するJR浜松町駅を中心とした再開発事業「ブルーフロント芝浦」では、去る3月に竣工したツインタワー1棟目「TOWERS」(南側)の低層商業エリアが開業。1階から3階部分を占めるこのエリアには、食を中心とした27店のテナントが新たに入居し、各店舗内とテラスを含む共有客席を合わせて約1000席の巨大な飲食ゾーンとなる。専門店とフードコート、パブリックスペースをシームレスにつなぐ構造で、平日は朝7時からの営業。

 解説=「ブルーフロント芝浦」は国家戦略特別区域計画(特区)の特定事業として位置づけられている。ツインタワー北側の竣工は2030年を予定しているが、従来の再開発事業とは違った経済成長の基盤を実現することができるか。

 ●オリジン東秀、うどんの新業態

 イオングループで弁当・惣菜チェーンを展開するオリジン東秀が、うどんの新業態「武蔵野うどん小麦晴れ」を東京・国分寺に出店。東京の多摩地域や埼玉県の一部で知られている、やや太めでコシの強い武蔵野うどんを店内製麺で提供する。ご飯やトッピングの天ぷらは食べ放題で、つけ麺のようにつけ汁に浸して食べるスタイルを提案するなど、競合ブランドとの差別化を図る。同社は中華の飲食業態「れんげ食堂Toshu」なども展開、全ブランドでは540店舗ほどを出店している。

 解説=オリジン東秀は1966年、東秀として中華料理店を創業。80年代より持ち帰り弁当を始め、90年代には「オリジン弁当」のブランドを掲げて社名もオリジン東秀に変更した。2006年にイオングループの傘下に入る。

 ●松屋フーズの新業態 王道のラーメン専門店

 松屋フーズホールディングスの松屋フーズは、新業態のラーメン専門店「松太郎」を東京・新宿に出店した。メインの醤油ラーメンと塩ラーメンは、共に税込み680円からというリーズナブルな価格帯だが、醤油ダレには4種類の醤油をブレンドし、おにぎりの米は銘柄米、海苔は有明海産など、素材へのこだわりを打ち出す。ほかに、「冷やし麺」と、おにぎり、小丼というシンプルなメニュー構成だが、アルコール類のつまみとなるアイテムも提供。店舗はカウンター席だけの20席。

 解説=同店は、既存の「松屋」店舗をリニューアルしたもの。昨年から続く米不足と価格の高騰を受け、多くの外食チェーンが麺類の新業態を次々と発表し始めた。中でもこの「松太郎」は、かなり王道のラーメン専門店となっている。

 ●「幸楽苑」新店 道の駅に7年ぶり

 幸楽苑が7年ぶりに新店を出店。福島県の道の駅「国見あつかしの郷」内への入店。朝7時からの営業で同店限定の朝食メニューを販売。また、実験的に調理ロボットを導入し、時間帯によって炒め物などに利用する。

 ●サッポロビール、韓国に体験拠点

 サッポロビールは、同社が海外向けに展開するビールブランド「Sapporo Premium Beer(サッポロプレミアムビア)」の体験拠点を韓国・ソウルにオープン。注ぎ方で風味が異なる2種類のビールを提供。

 ●「ニュウマン高輪」180店開業本格稼働

 JR東日本グループのルミネは、同社で最大規模となる商業施設「ニュウマン高輪」を本格稼働。第二期の今回は約180店舗が開業。飲食テナントでは、ヒュージが新業態を含む4店舗を出店し、ポトマックも新業態を投入するなど、話題の店多数。

 ●韓国コムタンスープの専門店が日本上陸

 韓国でミシュランのビブグルマンに8年連続で選ばれたコムタンスープの専門店「オクドンシク」が、東京・新宿区に上陸。ソウルの本店は2017年に開業し、翌年にはビブグルマンに選ばれた。これまで、ニューヨークやハワイなどにも出店している。

 ●「鳥貴族」運営会社、ベトナムに子会社設立

 「鳥貴族」などを運営するエターナルホスピタリティグループは、ベトナムに100%子会社を設立すると発表した。設立はハノイを予定しており、同市を起点に、「鳥貴族」ではなく「やきとり大吉」ブランドの出店からスタートする計画という。

 ●ロイヤルHDが食品販売会社買収

 ロイヤルホールディングスは、法人向けに“おやつの宅配サービス”を運営する企業たびスルを、57億円で買収。食品物販事業を拡大する取り組み。たびスルは、介護施設や学童施設などに向けて、施設の利用者に提供するおやつの調達を代行する。

 ●ラーメン「町田商店」、初の欧州・スイス出店

 ラーメン「町田商店」などを展開するギフトホールディングスが、スイス・チューリッヒに「町田商店」ブランドの店舗を出店。同社はアジア各国や米国などに店舗があるが、欧州への出店は初となる。現地企業との共同出資により新会社を設立。

 ●ソフィア・ローレンのレストラン初上陸

 世界的に知られるイタリアの映画女優、ソフィア・ローレンの名を冠した「ソフィア・ローレンレストラン」が日本に初上陸する。日本1号店は神奈川・鎌倉への出店。同店はイタリア国内に4店、香港に1店を展開するイタリア料理のレストラン。

 ●「大戸屋」逗子海岸に国内最大級店舗出店

 大戸屋が、同ブランドで最大規模の「大戸屋ごはん処」店舗を神奈川県の逗子海岸に出店。客席数は全国で最多の147席で、個室も用意されている。同社が運営するイタリアン「カンティーナ」と同じ敷地にあり、グループのステーキ店などがあった店舗をリニューアル。

 ●「東京ラーメンS」14年ぶりにエリア拡大

 東京ステーション開発が運営するJR東京駅の「東京ラーメンストリート」が、14年ぶりにエリアを拡大し、新たに2店舗を追加。過去に実施した「ご当地ラーメンチャレンジ」が好評だったことから、増床部分は「ご当地エリア」と題して、全国各地の実力店を誘致。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

 ※記事は一部の固有名詞を省略

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