2025年7月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2025.10.06 560号 05面

 ●前年比マイナス13業態に

 日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると2025年7月度の売上げは、前年同月比8.7%増となり、44ヵ月連続の増加を記録した。

 7月は、下旬から夏休みシーズンに入り、帰省客や旅行客の増加が始まり、大阪・関西万博の開催やインバウンド客の増加も続いたことから、客数は前年同月比4.4%増、客単価は4.0%増となった。

 客足が増える夏休みシーズンを迎えたことから、業態別では前年比を下回った業態は、6月の30業態から7月は13業態まで減少することとなった。

 ●続くコスト増、10月値上げ3000品

 前号では、最低時給がいよいよ1000円の壁を越えることと、今後も時給は上がり続けるであろうことをお伝えした。

 加えて、すでにコロナ期間中から円安基調が始まったことを要因として、輸入食材価格の高騰が続いており、国内の農業や漁業の現場でも、従事者の平均年齢が70代を超え、人口減少以前にそもそも働き手がいない状態が当たり前になっている。このような状況では、急速な円高にでもならない限り今後も食材価格が下落する状況とはならないであろう。

 実際、帝国データバンクによると、主要な食品メーカー195社における25年9月の飲食料品値上げは1422品目となり、10月に関しては、なんと3000品目もの値上げが実施される予定だ。前年同月比でみると、10ヵ月連続で前年同月を上回ることとなる。

 ちなみにこれら一連の値上げ品目増加は22年の統計開始以来で最長期間を更新し、月間の値上げ品目数としては、10月分を含めると5ヵ月連続で1000品目を超えている。飲食料品の値上げが常態化していることを示すデータだ。

 製品分野別に見ると、マヨネーズやソース、ドレッシングなど、飲食店にとって欠かせない食材である「調味料」が427品目を占め最多を記録したことに続き、冷凍食品やハム・ソーセージなどの「加工食品」(338品目)や、ビールなどの「酒類・飲料」(23品目)となっている。料理だけでなく、ドリンクメニューの価格にも値上げの流れが波及するのは時間の問題であろう。

 前号で指摘した内容とかぶるが、自店のビジネスモデルを早急にゼロイチで見直し、省力化可能な作業は何か、多少の値上げでも客離れが起きない強いメニュー開発、利益減に直結する割引やキャッシュバックの廃止、マルチタスク可能なオペレーションの導入など、少しでも可能性のあるものから優先順位を付けて対応することが、厳しい状況を生き残るために求められる。

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