値上がり続く包装原料 価格転嫁いぜん難航

2006.01.02 309号 4面

石油・ナフサ価格高騰を背景とした食品包装用樹脂の値上がりが続いている。石油化学メーカーが打ち出した原料の値上げを、樹脂加工メーカーは受け入れざるを得ない状況だ。加工業者は、原料値上げに伴い製品価格への転嫁を川下産業へ要請しているが、浸透は難航している。

景気は回復傾向にあるがデフレの影響は大きく、消費者に近くなるほど価格競争は激化し、値上げに対する反発も強い。現在、樹脂価格の上昇分は中間加工業者が負担しているが、多くのフィルム・包装メーカーでは値上がり分を吸収できず、苦境に立たされている。

大手樹脂加工メーカーは昨年11月、食品用ハイバリア性多層フィルムを10%値上げすると発表。「原料樹脂が値を上げ、現在の価格体系では安定した製品提供は困難」だという。ボイラー燃料や物流コストも上昇しており事業採算を圧迫、同業他社もこの値上げに追随すると見られる。

「値上げのサイクルが短く、交渉というよりも通達といった感もある」と話すのは、樹脂の需要家であるフィルムメーカー広報担当者。同社では昨年、5次値上げを受け入れ、すでに6次値上げも打診されているという。「経営合理化やコスト削減ではどうにもならないレベルに達している」と前出の担当者は漏らす。川上からの値上げ要請を拒否し、主要樹脂の納入ストップに追い込まれた企業もあるほどだ。

こうした事態に川下の食品メーカーでは、価格改定要請の対応に追われている。一部では包材の値上がり分を末端価格に転嫁した業界もあるが、全体としては厳しい交渉が続いている。

某ハム・ソーセージメーカーでは、内容量を減らすなどして包材の値上がり分をカバー。コストアップ分を自社で吸収することも辞さない構えだが「原価計算上はマイナス。作れば作るほど赤が出る」と嘆く。日本ハム・ソーセージ工業協同組合は「業界にとっては今が一番の繁忙期。価格交渉など動きがあるとすれば年明けからではないか」と推測している。

しかし、最終消費財への価格転嫁ですべてが解決するわけではない。「もし製品価格に転嫁できたとしても、消費者の動向が気になる」と“消費者離れ”を危惧(きぐ)する関係者も多い。苦境から脱却しても、モノが売れなくては本末転倒だろう。

コスト削減による消耗戦もすでに限界にきている。価格転嫁が先か、企業体力が尽きるのが先か。予断を許さない状況は、今後しばらく続きそうだ。

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