外食史に残したいロングセラー探訪(14)スターバックスコーヒー「豆乳 ラテ」
1971年、米国ワシントン州のシアトルでコーヒー豆専門店として創業した「スターバックス コーヒー」。日本にカフェ文化を根付かせ、「キャラメル マキアート」や「抹茶 クリーム フラペチーノ」など独特なメニューでもファンを魅了する同店には、欧米やアジアの店舗でも人気の、日本オリジナルの商品がある。
スターバックス コーヒー ジャパン(株)カテゴリーマネジメント本部、ビバレッジチーム、チームマネジャーの清水拓氏によると、「豆乳 ラテ」の誕生は、日本第1号店オープンから2~3年後のことだという。
当時、アメリカの本社から出向していた統括責任者ディードラ・ウェイジャー氏は、都内の店舗を視察していた際、主に外国人客から、「なぜ豆乳のメニューがないのか?」といった声が多いことに気付く。その背景には、アレルギーやベジタリアンといった理由で、牛乳を使ったメニューを飲むことができない顧客の存在があった。
そのため、「一人でも多くの人にエスプレッソ ビバレッジを楽しんでほしい」と、プラス50円で牛乳を豆乳にかえられるカスタマイズメニューとして「豆乳 ラテ」が採用された。
しかし、赤坂や六本木など4店舗だけでのスタートであり、オーダー数もさほど多くはなかったため、そのころに使用していたのは、市販の200mlブリックパックの調製豆乳であった。
ちなみに、豆乳 ラテ導入当時、同社のサービスポリシー「Just say yes」(お客さまのどんな要望にも応えます)にかけて、「Just soy yes」という言葉が社内で使われていたらしい。
その後、健康志向の高まりとともに、豆乳が注目され始めると、豆乳 ラテの導入をリクエストする店舗が増え、物流面での条件が整った店舗から徐々にメニューに追加されていった。
そして2003年の春、全国の店舗で販売されるようになり、2004年11月からは、同社オリジナルの豆乳を使った豆乳 ラテの提供が始まった。
アレルゲン対応など、いわば「機能面」からの導入であった豆乳 ラテだが、その次のステップが、「豆乳 ラテの主役は、あくまでもエスプレッソ」と、エスプレッソとの相性を第一に考えられた、このオリジナル豆乳の開発だったのである。その結果、メーカーからの提案よりも大豆感を強め、大豆のうまみとミルクのおいしさの要素を取り入れた、バランスのよい豆乳に仕上がった。
現在、カスタマイズメニューにはエスプレットショットやシロップの追加などがあるが、中でも豆乳の使用が一番人気があり、特に首都圏や大阪地区の店舗での注文が多い。
今後、さらに豆乳 ラテの需要が高まれば、スタンダードメニューとしての採用の可能性も高いという。
●店舗データ
「スターバックス コーヒー」/経営=スターバックス コーヒー ジャパン(株)/本社所在地=渋谷区神宮前2-22-16/第1号店開業=1996年8月/店舗数=740店舗(2007年11月14日現在)
◆スターバックス 豆乳ラテ
豆乳 ラテをはじめ、スターバックスのすべてのエスプレッソ ビバレッジに使用されている「エスプレッソ ロースト」。このコーヒー豆は、現在も米スターバックスの重役の一人であるデーブ・オルセン氏により、1970年代後半、数ヵ月間にわたる焙煎テストとテースティングの繰り返しの結果、開発されたものだ。中南米とアジアの豆のブレンドだが、クオリティーを保つために、豆の生産地域や配合については、毎年微妙に変化するという。「スターバックス ロースト」と呼ばれる独自の手法で、豆一粒一粒の風味を最大限に引き出したこの深いり豆は、ややスパイシーな香り、程よい酸味、バランスのとれたコク、キャラメルのような香ばしい甘さといった特徴があり、ミルクとの相性がよい。














