極洋、「スモークサーモン」2品がモンドセレクションで金賞 品質・安全性で高評価

2009.09.07 361号 09面

 極洋の「スモークサーモン」が、国際的な食品品評会である「2009モンドセレクション」でダブル金賞の快挙を遂げた。カット・スライスの両製品でともに金賞を受賞しており、大手水産会社のスモークサーモンでは初の受賞となる。このほど行われた発表会で、今井賢司常務取締役は「受賞商品は付加価値の向上を目指した開発商品の一つであり、品質の高さ・安全面が国際的に認められたと考えている」と説明、同社初となるモンド金賞受賞を報告した。

 同商品は「本格的なスモークサーモンを刺し身感覚で食べてもらいたい」(酒井健水産加工第2部長)ことを目的に、1枚1枚手作業で味付けした高付加価値水産加工品。約3年前から開発に着手し、昨年春から上市した。刺し身代わりにも食べられるという減塩設計と、高い品質、製造面での徹底した安全・安心化を行っており、既存品とは一線を画す高い品質が評価されている。特徴的なのは塩分濃度の絶妙な設定で、通常のスモークサーモンが3~5%の塩分濃度であることに対し、同商品では約2%にまで低減。これにより醤油やドレッシングとの相性を大幅に高め、魚本来の味を最大限に引き出した。使い勝手の良さもホテルや料飲店に好評で、首都圏を中心に取り扱い店舗を拡大しているという。

 製造するのはタイの同社子会社、KUE社の生食専用工場で、窒素冷結フリーザーや液体窒素タンクの常設により高いレベルでの安全性を実現している。添加剤を使用せず、1枚ずつ塩と砂糖だけで味付けし、従来品と比較して生臭さや養殖臭を大幅に低減した。

 今後はモンド金賞受賞を生かした商品戦略を推進する予定で、昨年度約6億円(300t)の販売実績を約10億円(500t)にまで引き上げる方針。業務用以外にも市販向け製品の積極的な商品提案も行う予定で、量販店を中心に「キョクヨー」ブランドとの相乗効果を狙う。

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