メニュートレンド:ありそうでなかった! 主役はごま 香ばしさ、健康美容を両立
ごまは健康食品としても認知度が高いポピュラーな食材。ただ、その小粒さゆえに料理の主役として扱おうと考える店はあまり見られなかった。それを逆手にとって唯一無二のポジションを確立したのが居酒屋「ビストロごまや 新宿三丁目店」だ。黒・白のいりごま、すりごま、練りごまを料理ごとに使い分け、月間総使用量は16kg。四半世紀近くにわたり、健康や美容に関心の高い女性客を中心に支持を獲得し続けている。
●メニュー改革で再評価
同店の開業は2002年。「当時は女性の社会進出が本格的になりはじめた頃。女性といえば“健康と美容”ということで、世界三大美女の一人、クレオパトラが若さと美貌を保つために愛用していた“ごま”をテーマにした店を考えたのです」と代田彰紀店長は振り返る。
狙いは的中し、女性に人気の繁盛店に。しかし、10年も経つと外食環境は激変。再建を託された代田店長は「創業時から残る商品は『黒胡麻塩昆布炒飯』だけ」という大胆なメニュー改革を敢行した。
「当時10人以上いた調理スタッフ全員に、新しい看板商品となる肉料理の開発を命じたのです。彼らが考案したものから選ばれたのが、今の看板商品『ごまやの肉料理No.1豚肉のセサミ焼き』です」と代田店長。現在も多い日で10食を超える文字どおりの看板商品だ。
メニュー改定のために試作・試食を重ねたことで、多くの示唆を得たそうだ。ごま料理の商品数は、全メニューの半数以下に絞り込んだ。肉や魚といったメイン料理には白ごまを使って彩りに気を使い、野菜の和え物など一般的に白ごまが使われる料理には逆張りで黒ごまにする方針を立てた。
「以前は、あれもこれもごま料理だった。それがかえってお客さまに選びづらくさせていたんです」と代田店長はメリハリあるメニュー構成の重要性を説く。
結果、食べるべき商品が明確に伝わり、客の評価も再浮上。「リピーターの紹介で来たお客さまが次のお客さまを連れて再来店してくださるケースがほとんど」(代田店長)と集客の好循環が形成されている。
宴会客を除き、時間制限を設けずゆったり長居できることも客に評価されている。「効率を求める時代だからこそ、時間を忘れて楽しめる空間を提供したい」と代田店長は満足度重視の姿勢を貫く。
●店舗情報
「ビストロごまや 新宿三丁目店」
所在地=東京都新宿区新宿3-4-1 東新宿ビル5階/開業=2002年10月/坪数・席数=56坪・100席/営業時間=11時30分~15時、17時30分~23時(土日・祝は通し営業。年末年始休/平均客単価=昼1300円、夜5000円
●愛用食材・機器
「星印 純ネリ胡麻 黒/白」 九鬼産業(三重県四日市市)
奥深い香りとコクのあるうまみ
ごま栽培からこだわった同品は、風味に深みがあり濃厚なコクが特徴。同店ではデザートの看板商品「自家製 黒胡麻豆冨」「自家製 白胡麻豆腐」(各税込み550円)にそれぞれを長年愛用する。たっぷりの練りごまを本葛で固めた本格派で、濃厚なごまの風味ととろける口溶け感が人気だ。
規格=400g、500g、1kgほか(常温)














