焼肉店お店拝見 「長春館」炭火とコンロの孤塁守る

1997.08.04 132号 12面

昭和24年、東京・新宿西口に焼き肉定食屋としてオープン以来、炭火とコンロで通しているのが「長春館」。焼き肉店のほとんどが無煙ロースターに走っている中、頑固に昔ながらのコンロを使う。店内は、渦巻く煙や臭いをものともせず肉をぱくつく客で満杯だ。

「煙にむせながら焼く肉の味は、ビールにピッタリ」と満足気な常連客。ランチは、八割が近隣ビジネスマン。夜は、女性同士、カップル、接待客も加わり客層は厚い。

今はここだけという人気のコンロは、かつて七輪だったものを水コンロに替え、また、アルミ製だったのを銅製にしたもの。ゴトク、炭受け、水を入れる外カバーでセットになる。

炭は、すべて備長炭ではコスト高になり「価格に跳ね返らせたくない」(光山勇一店長)との配慮から、三種の炭をブレンドした練り炭と備長炭を合わせて使う。

「いいものを値ごろ感あるもので提供し、うまかったと思われればいい」という光山店長。かなりのボリュームで昼一〇〇〇円、夜三五〇〇円~四五〇〇円の客単価だ。

人気メニューは、カルビー焼一二〇〇円、タン塩焼一三〇〇円のほかビビンバ七五〇円、キムチ四〇〇円など。夏には、韓国風冷めん九〇〇円が好評だ。

一八年前、はしりでメニュー化したサンチュをはじめ、玉ネギ、塩とミックスし、においがストレートに出ないすり下ろしニンニクを使うことで「野菜もたっぷり食べるバーベキュー感覚の焼き肉」で食べられている。

狂牛病、O157問題で「二〇%は売上げが落ちた」ほどショックは大きかったが、現在ではほとんど回復、時間が来るとウエーティングとなる。一二〇席で一日の集客約四〇〇人だ。

◆炭火焼肉「長春館」(東京都新宿区新宿三-八-一〇、電話03・3354・5141)営業時間=午前11時30分~翌朝4時30分

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