話題の飲食施設 「新宿高島屋」(東京)=1 初の都市型マルチ施設、初日に35万人
10月4日、JR新宿駅南口の旧国鉄用地に、新宿高島屋(TAKASHIMAYA TIMES SQUARE)がグランドオープンした。この施設は、都心最後の巨大プロジェクトとして三年前から進められていたもので、地下四階、地上一四階建の本館とJR代々木駅寄りに立地する地下一階、地上八階建別館の二棟から成る複合商業施設・ショッピングセンター。フロア構成は、本館が高島屋本体ほか、東急ハンズ、セガ・アミューズメントテーマパーク「新宿ジョイポリス」、東京アイマックスシアター、レストランズ・パーク、別館には紀伊國屋書店および同サザンシアターが展開する。飲食施設のレストランズ・パークは本館一二~一四階、三フロアでの展開で、和・洋・中二八店舗。このほか、飲食店舗は本館の二階~一〇階(八階を除く)までの各階に、国内初出店の店舗を含めカフェ、軽食など八店。トータルで三六店舗、新宿南口周辺では最大の飲食ゾーンを形成している。
伊勢丹、三越、小田急、京王、丸井など大型店が競い合う新宿に、高島屋が一万七〇〇〇坪のビッグな売場面積、しかも、世界初の都心型複合商業施設(ショッピングセンター)で乗り込んでくるということで、これをどう迎え打つか戦々恐々としていた新宿百貨店業界だったが、結果的には地域への来街動機を大きく喚起することになり、各デパートとともに売上げを伸ばすことになった。
高島屋への来店者数は、10月4日(金)のグランドオープンに三五万人、5日(土)二五万人、6日(日)二五万人で、わずか三日間で八五万人にものぼった(高島屋企画宣伝広報課)。
大阪高島屋の総会屋との癒着スキャンダルで、マスコミに叩かれて、トップが辞任するなど企業イメージがダウンし、今夏の中元商戦にもブレーキをかけることになったが、高島屋自体の商品やサービスの質が低下したわけでもなく、マスコミのセンセーショナルな報道に終わっただけで、“ローズの包装紙”(タカシマヤブランド)に対する信頼は変わらないという結果だ。
オープン三日間は一〇階バーゲン会場も、二時間待ちの長蛇の列で、この施設の集客力の強さを印象づけていた。
一二階~一四階の「レストランズ・パーク」でも、店に入り切れなかった客が順番待ちで混雑、大賑わいの状況を呈していた。
レストランズ・パークには軽食から老舗、本格派レストランまで和・洋・中計二八店が出店、回遊性のあるゆとりのレストラン街が広がる。
施設コンセプト
午前10時から深夜0時まで時間軸で捉えた業態の集積で、世界初の都市型複合商業施設(ショッピングセンター)を実現した。
施設の中核を成す高島屋は、三〇代のアクティブな女性を主力ターゲットにした品揃え(衣料・ファッショングッズの七割以上が海外有名ブランドほか、高島屋独自の〈オリジナルブランド〉の品揃え)。
◇商圏人口/東京・千葉・埼玉・神奈川の一都三県=約二〇〇〇万人を想定
◇来店者初年度見込み/▽施設全体=年間約五〇〇〇万人▽高島屋=年間約三〇〇〇万人(一日平均九万人=平日八万人、休日一三万人)