めざすは一流MISS料理人:つばめグリル・品川駅前店スタッフ上島さよ子さん
「小さいころから料理が大好き。家ではしょっちゅうご飯を作っていたんですよ」という上島さんは三人姉妹の末っ子。父母、おばあちゃんの計六人家族の食事当番をよく買って出ていたそうだ。
「料理の道に進めたらいいなあ、と思ってはいましたが、女性だから無理だろう。高校を卒業したら姉たちのようにOLに」と最初は決めていた。ところがある日友人が「将来パン屋になりたい」と調理師専門学校へ進む計画を口にする。それを聞いて上島さんも挑戦する気になったという。
進学したのは東京誠心調理師専門学校の一年コース。毎日充実していたが、女性で就職できるかと一抹の不安も感じていた。就職相談で学校から紹介されたのがつばめグリル。洋食レストランという希望がかなったうえに、「つばめグリルはおシャレな店で、ひそかにあこがれていた」大本命だった。
強運をものにして、晴れて入社一年。コック姿の上島さんはニコニコしてとても楽しそうだ。ところが、「この仕事はテキパキ動けないと務まらないんです。でも私、性格的にマイペースで…。いつも『早くしよう』と自分で自分を追い立てているんですよ」。
仕事に早い人は先まで読み、複数の作業を平行してこなしている。頭の回転も早い。一点集中型の上島さんは、そんな先輩たちに追いつこうと健闘の日々という。
つばめグリルはオープンキッチンスタイル。ハンバーグなどは客のすぐ目の前で焼き上げる。
「最初は緊張しましたが、これは結構快感ですね。お客さまの視線を感じ、手際よくきれいにやろうと気合がはいるんです」
仕事では「料理はイメージを持って出すことが大切」と教えられた。
「毎日たくさんの料理をしていると時には少し焼き色がつきすぎたり、盛り付けがいまいちだったりすることも。作り手にとってそれは数多くのなかのひとつでも、お客さまにとってはそれがすべて。だから少しでも失敗したらきちんと作り直す。料理のイメージを大切に守る。これは心に刻まれています」
まかないは調理スタッフ九人が交代で担当する。家で惣菜を作りなれている上島さんにとってやりがいのある仕事のひとつ。シェフからヒントをもらうことも多い。
「シェフのまかないはすごくおいしいんですよ。カレーひとつでも全然違う。どうしてなんでしょうねぇ」と首をかしげる上島さん。
おっとりタイプの上島さんも、この一年で家族や友人から「性格が変わった」といわれるようになった。
「前は自分の思ったことをはっきり言わない、言えないタイプだったんです。でも仕事で鍛えられたせいか、どんどんものを言うし、率先して行動するようになった。これは自分でもよかったと思っています」
自分の意見は言ってこそ伝わるし、道も開けるもの。将来についての意見は?
「うーんやっぱり自分の店がもてたらいいですね。もちろんここで修業をしっかり積んでからの話ですが」
◆うえしま・さよこ=一九七八年横浜市生まれ。勤めをはじめてから、さすがに家の食事当番はできなくなったが、たまに家族を食べ歩きに誘い、おごっているという。休日は音楽を聞いたり、友人と遊びに出かけたり。はまっているのがクイックマッサージ。仕事が早くあがった日などマッサージの店に直行する。足のツボや全身のマッサージで筋肉痛やストレスがスッと抜けるという。














