きょうから始めよう、酵素倹約生活

2001.10.10 74号 3面

◆POINT1 酵素の豊富なものをたくさん食べる

「すべての生ものは自分を分解する酵素を持っています。アメリカの酵素栄養学では50~75%、生もので摂ることを推奨しています。野菜、果物、魚、肉類、工夫して摂りましょう。また、例えば青いバナナでなく熟したもの、肉類も寝かせたものなど、酵素が最大限に働いているものを選べば、より消化の負担が減らせます」。過半数を生ものでというと、果たしてそんなに量が食べられるかという問題が発生してくるが、これは「ジュースにすれば大丈夫。例えばニンジンを生のまま1本食べるのは結構大変だけれど、ジュースにすれば全く抵抗ないでしょう」。

また、たいがいの食物は「自分を消化する」食物酵素までしか持っていないが、一部のものには「一緒になった相手をも消化する」酵素(人間の代謝酵素の一つの消化酵素とは別の、一種の消化酵素)をも持っている。例えば、山芋にはジアスターゼ、アミラーゼなどの酵素類が含まれる。山芋をすり下ろすとヌルヌルとした特有のぬめりが出てくるが、あのネバネバ成分にはタンパク質の分解を促進し、さらに体内への吸収を助ける作用がある。マグロにかけて食べればタンパク源としてのマグロが身体にとって理想的な状態に消化・吸収され、体内で有効に使われることになる。

調理や加工の比率をそれほど落とすわけにもいかない現代生活では、酵素系のサプリメントを補助的に摂るという方法もある。動物性のもの、植物性のもの(パパイア酵素、パイナップル酵素など)、麹菌のものなどがある。

麹菌の酵素は酸に強い(ph2~11まで働く)ので、胃酸で働き始め腸に入っても十分に働きが継続される。血液中に入るまで分解を続ける。

これらの酵素豊富な食材、サプリメントは、食事の中で先に食べるのがポイント。「よくフルーツは食後にとされるけれど、酵素の効果を高めようと考えると逆にするべきです。例えばご飯などが胃の中に先に来て後から酵素豊富なものがやってきても、車の渋滞に巻き込まれてしまっているように、そこでもう発酵が始まってしまう。早く通過するものは先にとって時間がかかるものは後でとるという食べ方をしたほうが、消化器官に負担をかけないことになります」。

◆POINT2 酵素の応援団を取る

酵素は細胞核内のDNAの暗号に基づいてアミノ酸が配列されることで形成される。だから大本のタンパク質がしっかり取れていなくては始まらない。また、酵素が身体の中で有効に働くためにはビタミン、ミネラルが必要。例えばビタミンB群のナイアシンは四四〇種類もの酵素の働きに必要になってくるもの。ビタミンは緑黄色野菜、ミネラルは海藻類に豊富、その他サプリメントなどを積極的に摂取したい。野菜、果物、海藻など酵素が多く含まれるものから作られた酵素飲料は、酵素の力でビタミン、ミネラル、アミノ酸などがきちんと分解され、体内に非常に吸収されやすい状態になっているので、体内の代謝酵素を働かせる大きな応援団となる。

○ワカメとジャガイモの煮物

<材料(2~3人分)>

・『理研ふえるわかめちゃん』………5グラム

・だし汁…………2カップ

・砂糖……………大さじ1(好みで加減)

・塩……小さじ1/3

・醤油………大さじ1

・みりん……小さじ1

・ジャガイモ…2~3個

・ニンジン……1/2本

・シイタケ………2枚

<作り方>

(1)ジャガイモの皮をむき4~8分割に切る。

(2)ニンジンは乱切りにする。

(3)シイタケは2~4分割に切る。

(4)だし汁を沸かし、(1)~(3)を加えジャガイモが柔らかくなるまで煮る。

(5)砂糖、塩、醤油で味を付けて、ひと煮立ちして『理研ふえるわかめちゃん』を加えて、すぐ火を止める。

☆ワンポイント:『ふえるわかめ』は乾燥品のまま加えられる。鍋のまましばらく煮汁に浸しておくと味がしみる。

(レシピ提供=理研ビタミン(株))

◆POINT3 酵素の敵は遠ざける

体内に活性酸素の発生が多くなると、細胞の機能が失われたり、酵素の設計図であるDNAが傷つけられ、正しい酵素は作られない。活性酸素や毒素が生まれにくい正しいリズムの生活を心掛ける。

また、木の実やゴマ、豆、穀物などの種子の食べ物は、非常に良質なタンパク質、脂肪、ビタミン・ミネラル類が豊富に含まれているが、同時に酵素の働きを抑制する物質も一緒に存在しているという。「特にタンパク質の分解を阻害する物質が含まれています。これらのタネ類などは、子孫を残していくため身を守らなければなりません。他の動物に食べられてしまっても簡単に消化されないよう、そのまま排泄されるようにできているのです。木の実、豆類、タネ類のような食材は火に通し、酵素阻害物質を壊してから食べることが肝心です」。

◆POINT4 よく噛んでゆっくり食べる

「酵素は食べ物の微片の表面にしか働きかけることはできません。噛むことにより食べ物がより細かく砕かれた状態で消化器官を通ることになり、食物片はより多くの酵素を浴びることになります」。

◆POINT5 発酵食品を多く取る

発酵食品は、酵素を持つ生の食品と同じように、「事前消化」がされている。プレーンヨーグルト、ナチュラルチーズ、日本が誇る味噌・醤油・納豆など、なるべく熱処理していない、加工度の低いものを選ぶ。

◆POINT6 体内時計に合う食べ方をする

酵素栄養学においては、朝の4時からお昼の12時までは体内のクリーニングの時間、お昼の12時から夜の8時までは体内に栄養素を送り込んでいく時間、夜の8時から朝4時までは体内に取り込まれた栄養素を身体のいろいろな細胞の再生に使う、つまり体内に同化させる時間‐‐としている。そこから、午前中はクリーニング効果を高めるもの、酵素豊富なものの中でもクレンジング効果の高いフルーツを中心に摂っていく、昼からは身体を作り直す栄養素が必要なので野菜を中心に摂ることをすすめる。

◆POINT7 水をたくさん飲む

「人間の身体の70%近くは水分です。水槽の中に水をためたままにしておくと徐々に腐ってくることからも分かるように、この水は常に循環しているような状態にしておかなければいけません。これは体内で酵素がきちっと働くためにも非常に重要なこと。1日に2~3リットル、1時間にグラス1杯を目安に飲むといいでしょう」。朝は特にクリーニング効果を高めるために、必ず飲むといいという。

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