焼肉経営のNEWトレンド:トラジ和牛が最優秀賞獲得
●焼肉専用の実力を食肉市場で証明 1kg3206円の最高値で落札
「トラジ・ファーム」は4月24日、東京食肉市場で行われた競売(せり)に自社肥育の「トラジ和牛」(格付A5等級/551kg)を初出荷。1kg3206円の高値で落札されると同時に、品評会「第16回埼玉県武州和牛枝肉研究会」(42頭参加)において最優秀賞を獲得した。
同社(埼玉県神川町)は焼肉の6次産業化に取り組む「焼肉トラジ」(70店舗)の畜産法人。2015年10月に設立後、埼玉県武州和牛組合の指導を受け、武州和牛(埼玉県産黒毛)の肥育に取り組んできた。昨年9月に1頭目が初出荷され、格付A5等級の最高ランクを獲得。以降、月間5頭のペースで焼肉トラジに卸してきたが、「相対取引ではない食肉市場で評価を受けてこそブランドが生きる」(トラジ・金信彦社長)として市場出荷を試みた。
と畜後の格付では歩留まり85%、BMSナンバー12の最高ランク(A5)を獲得。競売では品評会対象の武州黒毛和牛(42頭平均・1kg2189円)のなかで最高値の1kg3206円で落札された。
同社を指導する塚田正行・武州和牛組合長(塚田牧場会長)は「われわれのような肥育のプロは、利益第一で全体的な効率を優先するが、高級焼肉での使用に限定するトラジの肥育は、プロが感心するほど緻密かつぜいたく。当組合20社の助言を素直に受け入れ、生産者の理想を次々に実現している。武州黒毛和牛のブランドリーダーとして組合を挙げて支えたい」と期待を込める。
高山光錫・トラジ・ファーム社長は「組合の指導は6次産業化の要。肥育と焼肉という両極の現場を理解し合うことで、新たな共存共栄が生まれるはず。現在の出荷ペースは肥育100頭のうち月間5頭。武州和牛のブランド化に向け牛舎を増築し出荷倍増を目指す」と意気揚々だ。
◆動画で競売を見てみよう!
https://youtu.be/w8hbTMnx9x0