11月13日。今日はチーかまの日
11月13日は株式会社丸善が制定したチーかまの日。チーかまとはかまぼこにチーズを混ぜ合わせた製品である。11月13日が、11月11日のチーズの日と11月15日のかまぼこの日の中間に当たることに由来する。
創始時代のかまぼこは現代のちくわ
かまぼこが文献に最初に登場したのは、今から900年ほど前の平安時代に刊行された「類聚雑要抄」という巻物で、そこに「蒲鉾」という字と絵が紹介されている。紹介されている蒲鉾は今日いうところのちくわの形をしている。宗五大草紙(1528年)に“かまぼこは蒲のほをにせたる物なり” とあり、雍州府志(1684年)にも、魚肉に塩を加えてすり、竹ぐしに塗って焼いて食べるが、これを蒲鉾というのはその形が 蒲(がま)の鉾(ほこ)に似ているからだという意味の記載がある。すなわち創始時代のかまぼこは今日のちくわということ になる。
“かまぼこ”は、日本特有の魚肉加工品というが、北欧には魚肉すり身に牛乳を加えたはんぺん様のものがある。また、揚げかまぼこのルーツは中国の福建省やベトナム南部説がある。鹿児島名物のツケアゲは琉球のチキアギに由来するという。関東ではさつまあげとよび、関西ではてんぷらになる。韓国や中国の東北地方には日本の侵略時代のかまぼこ技法が生きており、台湾、フィリピン、香港、タイ、マレーシアなどには中国人による、ゆでものや、ゆであげのフィッシュボールがつくられている。“かまぼこ”は世界各地の魚食民族が魚肉の調味料であり、保存料にもなった食塩との関わりを生かしてそれぞれが魚肉ねり製品の原型をつくりあげたのではないだろうか。日本国では華麗な日本料理の包丁でかまぼこ型の板付がつくられ、中華料理のかわりで揚げかまぼこが生まれたものと考えたい。
(日本食糧新聞社『食品産業事典 第九版』(引用箇所の著者:全国蒲鉾水産加工業協同組合連合会 石内幸典))