11月28日。今日はフランスパンの日
11月28日は日本フランスパン友の会が制定したフランスパンの日。11(いい)2(フランス)8(パン)の語呂合わせに由来する。
バタールだけじゃない。たくさんの種類があるフランスパン
わが国でもっともポピュラーな欧風直焼きパンである。小麦粉と発酵生成物が基調の風味、パリッ、としたクラスト、しっとりとした噛み応えのある食感のクラムが特徴で、食事パンとして一部の消費者に人気が高い。しかし、焼成後約6時間が経過すると、クラムからクラストへの水分移行によってクラストがゴム状の食感になり、クラムはパサつく食感に劣化してしまう欠点があり、幅広い消費者層への普及の妨げとなっている。
焼成後約6時間以上が経過した、あるいは冷凍保存しておいたパンは、軽く霧を吹いてからアルミホイルで包んでオーブントースターで再加熱すると、本来に近いおいしさを楽しめる。
また、フランスパンは、重量や形状の違いによっておいしさが大きく変わる。バゲット(生地重量350g、長さ8~0cm)、バタール(生地重量350g、長さ約10cm)、パリジャン(生地重量650g、長さ8~10cm)、フィセル(生地重量 150g、長さ約10cm)、ブール(生地重量350g、球状)、エピ(生地重量350g、麦の穂形)、 タバチュエール(生地重量350g、タバコ入れ形)、シャンピニオン(生地重量約8g、キノコ形) 等々、さまざまな製品がある。製品によって、大きさと形態だけではなく、クラストとクラムの比率が異なり、クラストを楽しみたい場合にはフィセルのように細長い製品が、クラムを楽しみたい場合にはブールのように球状の製品が適している。わが国ではバタールがもっとも普及しており、これをバゲットという名称で販売する例もみられる。
噛み応えが強い食感を大切にしたい場合はストレート法を用い、ミキシングを最小限にして気泡成分のきるだけ少なくすることがポイントになる。このような生地は機械耐性がきわめて低く、 手造り主体のリテイルベーカリーが活躍する舞台になる。
(日本食糧新聞社『食品知識ミニブックスシリーズ パン入門』(引用箇所の著者:井上好文 ))