フジッコ「大豆で作ったヨーグルト」 新たな大豆発酵食、市場創出に期待高まる
【関西】フジッコから期待の大型商品の登場だ。構想から6年、長年積み重ねてきた大豆研究の歴史と「カスピ海ヨーグルト」シリーズで培った乳酸菌発酵技術のコラボがついに実現。満を持して上市した「大豆で作ったヨーグルト」で新たな大豆発酵食カテゴリーの創出に挑む。
「フジッコ 大豆で作ったヨーグルト」(400g、標準小売税別258円)は大豆本来のおいしさと栄養を最大限生かすため、うす皮を取り除いた大豆をまるごとヨーグルトに仕上げた。粉末状にしたカナダ産大豆を、独自製法で超微細化し、滑らか加工を施した後、乳酸菌を加えて発酵。「さまざまな品種の大豆と乳酸菌の掛け合わせを幾度となく試し、最適な掛け合わせにたどり着いた」(マーケティング本部ヨーグルトグループ)。
その結果、酸味を抑えて自然な大豆の風味・甘味を引き出すとともに、ざらつきの少ないなめらか食感に仕上がった。甘味料や香料を使用しないことで、大豆本来の風味をより引き立てている。大豆をまるごと使用するため、豆乳では取り除かれてしまう「おから」部分の栄養も含まれており、大豆イソフラボンも豊富。乳成分不使用のためコレステロールはゼロ。健康・自然志向の30~50代女性をメーンターゲットに据える。パッケージはナチュラルテイストのカラーを基調に、植物性をイメージしたグリーンや蓋部分のゴールドがポイント。自然派ながらも視認性の高いデザインで、従来のヨーグルト製品とは一線を画している。
滑らかで酸味が少ないことから多彩なアレンジメニューに活用できるが、「まずはヨーグルトとして楽しんでいただきたい」と、発売初期ははちみつやきな粉、黒みつなどとの組み合わせを中心に、推奨メニューを紹介したリーフレットを商品に添付する。
3月1日に全国一斉発売がスタート。今回は佃煮や惣菜を製造する鳴尾工場(兵庫県)に、すでに「大豆で作ったヨーグルト」専用の第二工場を新設し、発売前から大幅な生産能力を確保。同社の本気度がうかがえる。
すでに流通サイドの反応は良好で、今年1月の日本アクセス「バイヤーズグランプリ」でチルド食品部門1位を獲得。今後はキャンペーンやTVCMなど多彩な販促を計画しているという。新たなヨーグルトカテゴリーの育成、新たな大豆発酵食市場の創出へ期待は高まる。(徳永清誠)