メニュートレンド:16色の彩りホタテ前菜 日本酒、ワインとの相性追求
ホタテは貝類の中でも子どもからシニアまで幅広い層に人気のシーフード。そうした大衆性の高さに着目して主役食材に抜擢したのが、東京・恵比寿のホタテ料理専門店「ScallopBar ホタテにしやがれ」だ。同店が個性的なのは、味も見た目も淡白だったホタテをさまざまな創作料理に仕立て、新しい魅力を引き出している点。同店の看板料理で来店客がこぞってSNSに投稿しているのが、16種のバリエーションを誇る「しやがれホタテ」だ。
●和食やイタリアンなど組み合わせ多彩
「へ」の字形に開いたホタテの上に、まるでにぎり寿司の「ネタ」のように色とりどりのトッピングが盛り付けられている。ウニやイクラといった和食系に、生ハムやトマトなどのイタリアン系、さらにはゴールデンマスタードや岩海苔などのタレ&ソース系とバラエティー豊か。赤、だいだい、緑、ピンクなど、どれも宝石のように鮮やかな色使いで、一口サイズながら高いインパクトを放っている。
「ホタテは誰もが好む食材ではありますが、大衆食材ゆえに価値を伝えにくい。そこでSNS映えする創作料理に仕立てることで、目的来店につなげようと考えたんです」と、中村健悟店長は商品開発の狙いを語る。その狙い通り、予約来店する新規客の大半が同品を注文するそうで、SNS経由の集客にしっかり貢献している。
それにしても16種類のバリエーションは圧巻だ。「当店は日本酒と日本ワインの品揃えに力を入れています。そうしたアルコールとの相性がいいものを揃えたいと、アイデアを出しているうちに増えすぎてしまいました」と中村店長は笑う。サッパリとクセのない味わいのホタテは、酒のジャンルを選ばずにマッチしてくれる優れもの。トッピング、そして酒との組み合わせ次第で変化するホタテの新しい魅力に出合えるのも同店ならではの楽しみ方だ。
人気はウニ、イクラで、魚介×魚介の組み合わせは相性抜群。高級感あるビジュアルも文句なしの“映え”ぶりである。また、味のイメージがしやすい点も高い注文率の要因だ。
調理オペレーションは、オーダーが入ったらホタテをバーナーで軽く炙って香ばしさをプラスし、トッピングを盛り付けるだけ。ファーストオーダー時のおつまみとしてクイック提供しやすいのもポイントだ。
今後の展望について中村店長は「デリバリー営業にも挑戦しており、ホタテユッケ丼などのオリジナル商品を柱に新しいニーズ獲得を目指しています」と語り、店舗営業に留まらない販路拡大に意欲的だ。
●店舗情報
「ScallopBarホタテにしやがれ」 経営=GOZU/店舗所在地=東京都渋谷区恵比寿南1-7-8 ニューライフ恵比寿1階/開業=2019年11月/坪数・席数=10坪・26席/営業時間=18時~翌3時、金・土曜18時~翌5時。無休/平均客単価=4000円
●愛用資材・食材
「GOLDEN MUSTARD(ゴールド)」 GOLDEN MUSTARD(東京都千代田区)
弾けるプチプチ食感 肉・魚介にかけるだけ
「しやがれホタテ」の一品に使用している調味料。大粒のマスタードシードを使ったプチプチと弾ける食感が個性的。辛さはなく、爽やかな酸味とからしの香りが食材の味を引き立てる。豚カツやステーキなど肉料理にも活躍する。
規格=140g