新時代のブルーエコノミー探る サステナブル・シーフードの可能性

水産加工 2020.11.04

 2055年に100億人を突破する世界人口の食料需要を満たす貴重なタンパク源として、水産物は国際的な注目の中心にある。日本では1980年代以降の漁獲量減少や魚食調理機会の減少など、さまざまな課題を抱える。しかし、近年は70年ぶりとなる大規模な漁業法改正や、企業におけるSDGsの戦略化など、持続可能な水産業に向けての官・民双方のムーブメントは加速していると言って良い。その中で注目されるのが、海の生物の成育に必要な環境を保全し、再生産のペースを守りながら漁獲・養殖された「サステナブル・シーフード」だ。本連載では、サステナブル・シーフードに主眼を置いたビジネス、食料安全保障、法制度、海洋プラスチックなどの環境問題などについて、花岡和佳男シーフードレガシー社長の分析のもと、現在の課題と展望を概観し、新時代のブルーエコノミー(海洋資源を守りながら経済・社会の持続的発展を目指す経済モデル)の展開可能性を探る。(小澤弘教)