ヘルシートーク:歯科医師・口もと美容スペシャリスト 石井さとこさん

2021.07.01 312号 05面
本の中身ちょっと拝見

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 ◆マスクのない生活にむけて 顔トレで表情筋を動かしましょう

 マスク生活が日常になったいま、以前より「口角が下がってきた」「顔のたるみやしわが目立つ」「口臭が気になる」という方も多いのでは? 歯科医師・口もと美容スペシャリストの石井さとこさんによると、これこそが「マスク老け」だそうです。知らず知らずのうちになっている恐怖の「マスク老け」を解消する方法を教えていただきました。

 ●「マスク老け」の原因は下顔面の運動不足 舌を使った顔トレで解消を

 「マスク老け」とは、マスク生活により表情筋が衰えてしまい、顔のたるみやシワが目立つようになることです。また、マスクの中で口呼吸になり、口臭を感じやすくなったり、歯の表面が汚れてしまうのもそのひとつです。

 そもそも口もと周りの筋肉は、顔のいろいろな筋肉につながっている表情筋のメイン。本来は、口もとをよく動かすことが必要なのに、コロナ禍では、会話不足になったり、思い切り笑うことが少なくなっていますよね。そうすると、顔の下半分である「下顔面」の筋肉が運動不足となり、結果、老け顔になってしまうのです。

 私自身が「マスク老け」を感じたのは30代の頃。歯科医師という職業柄、長年マスク生活をしていたことで、ほうれい線がくっきり…。そこで考えたのが、舌を使った顔のトレーニング(以下、顔トレ)です。舌の筋肉は、200gもの重さがあるので、表情筋をほぐすには、舌の運動が一番効果的だなと。それに、舌の筋肉は動かさないと舌が下がり、顔のたるみやほうれい線につながるのはもちろん、口呼吸になりやすいので、ダイレクトに菌を取り込んでしまうことも。

 表情筋を動かせば、血流もアップし、唾液も流れやすくなるので、口内環境も改善されていくのです。

 ●顔の筋肉が集結するポイントを舌先で刺激しましょう♪

 「マスク老け」を解消できる簡単な顔トレが「モダイオラスほぐし」です。モダイオラスとは、左右の口角の内側の少し上にある小さなふくらみ。顔の筋肉が集結しているので、ここを舌先で下から上へ左右10回ずつほぐすと、表情筋がやわらかくなるんです。

 また、舌で歯の上を10秒かけてぐるりと一周する「10秒舌回し」もオススメです。ゆっくりと回すことで、ほうれい線やフェイスラインを改善し、唾液の分泌も助けるので口臭予防にも。これらはマスクをしたままできるので、好きな時間にぜひ。

 日常生活の中では、口をゆすぐのも、ちょっとした顔トレになります。コツは、キャップ1杯ほどの水を口にふくみ、約30秒かけて口をゆすぐこと。私は、朝、起きてすぐと、朝と夜の歯磨き前に必ず行います。舌の上に溜まった汚れや菌が落ち、唾液腺の刺激にもなりますからね。歯磨きもワンランクアップしますよ。

 ●毎日食べているキウイ ビタミンCは歯肉の健康や歯周病予防に

 私は365日、朝ごはんのメニューはほぼ同じ。その中のひとつが、キウイです。キウイは「食べる点滴」と言われているほど栄養素が豊富ですし、ビタミンCもたっぷり。

 歯肉の60%はコラーゲンが占めているのですが、コラーゲン生成にはビタミンCが不可欠です。また、歯周病予防にもビタミンCは大事。そのため、ブロッコリーやカリフラワーなどを温野菜にしたり、レモンを絞ってサラダにかけたりと、日々の食事の中で取るようにしています。これからの季節は、肌や粘膜の健康を維持するβ-カロテンも含むトマトもいいですね。

 マスクをしていると、どうしても目線が下がってしまうので、見上げる努力も大事。私は、空を見上げるようにしています。また、パソコンを使っている時は、5~10分に一度、目線を床と平行に。そして、よく笑うこと。マスクのない生活にむけて、表情を意識するように心掛けてほしいと思います。

 ●プロフィル

 いしいさとこ 歯科医師・口もと美容スペシャリスト、「ホワイトホワイト」院長。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者。歯と身体を美しく保つための食事や、歯が美しく見える口もとメイクのアドバイスに定評があり、女優・モデル・タレント・アナウンサーなど多数のビューティーセレブからの信頼も厚い。近刊に『マスクしたまま30秒!! マスク老け撃退顔トレ』(集英社)。

 ●NEW Book

 『マスクしたまま30秒!!マスク老け撃退顔トレ』 石井さとこ著/集英社

 定価:1,540円(税込)

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