だから素敵! あの人のヘルシートーク:俳優・勝地涼さん
かねてから映画化を待ち望まれた作品が、この冬いよいよスクリーンに登場。タイトルはシンプルでストレートな『幸福な食卓』。その内容には繊細でショッキングな場面もある。けれど見終わった後、なぜかとても温かい気持ちになれる。作品中のキーパーソン、主人公・佐和子の恋人役「大浦くん」を演じた勝地涼さんに映画の周辺を聞いた。
僕自身が原作と脚本を読んで、この「大浦くん」をすごく好きになりました。佐和子に対する純粋でまっすぐな気持ち、意味の分からない自信。だから映画でも「大浦くんて愛すべきキャラクターだよね」と感じてもらえるといいなあと思って。頑張りました。
いままで何か問題を抱えている役が多かったのが、今回は正反対。逆に抱えている佐和子に対して何かを気づかせてあげたり。でもきっと本人は素のままなんでしょうね。相手に良く思われたいとか笑わせようとか、全く計算してない。駅でいきなり「俺たちあと何回クリスマスのプレゼントできるかなあ。よし、バイトしよう。クリスマスまで会わない。それでさらに待ち遠しさが倍だ~。会えない間、切磋琢磨と臥薪嘗胆な!」とか宣言したりして。台詞以外のところ、会っていない時も、相手のことをいっぱい考えてるのが見える。そんなところが、演じていて好きでしたね。
小学生とか中学生の時に人を好きになった時の気持ちを思い出しました。いつの間にか段々変わってきて、何か計算して物事を考えてしまう。あそこまでの純粋さは、大人になるとなくなってしまいがちなのかな。
佐和子の家族が食卓を囲んでいる、すごく好きな場面があります。ずっとけなげで優しかった佐和子が、人生のどうしようもない状況に直面して、思わずものすごくキツイことを言ってしまう。それを聞いたお兄ちゃんがぼそっと、「そうだよな。そんなこと言うほど、傷ついているんだな…」。自分が出ている作品なのに見ていて泣いてしまいました。家族は受け止めているんですよね。言葉で表すことはできない微妙な空気感。家族っていいな、人間っていいなと思いました。そういう意味で、すごく人間くさい映画だなと思います。
恋愛だけじゃなくて、友だちに対しても。こちらの思いを言葉で伝えるだけじゃなくて、全部聞いてあげるとか、大事ですよね。僕はけっこうおしゃべりなんで、傷ついた人がいても「大丈夫だよ!」とか言っちゃいそうなんだけど、本当はそんなことじゃなくて「そっか、そっか」と聞いて、そばにいてあげるだけでも全然違ったりするのかと。周囲の人を見守ってあげる、そして自分も見守られている…そういう関係がいいですね。
◆プロフィル
かつぢ・りょう 1986年東京都生まれ。05年、「亡国のイージス」如月行1等海士役で、第29回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。出演映画には、「リリイ・シュシュのすべて」(01)、「バトルロワイアル2」(03)、「空中庭園」(05)、「この胸いっぱいの愛を」(05)、「花よりもなほ」(06)、声優として出演した「銀色の髪のアギト」(06)などのヒット作多数。
○勝地さんの食日記(1)
ロケで徳島に行っていました。ラーメンがおいしかった~。麺がユルユルでスープがそんなに熱くなくて。聞いただけだと全然おいしくなさそうだけど(笑)。生卵を溶かして、ラーメンなのに「月見」なのも新鮮で。
○勝地さんの食日記(2)
鍋好きです。野菜も生で食べるとたくさんの量が食べられないけど、鍋ならいっくらでも食べられます。「中目黒上腕二頭筋」という野球チームでピッチャーをやってますが、そのみんなでよく囲みます。監督の家での特製キムチ鍋は最高。
◆食べたら幸せになれるかも! 「幸福な食卓」に登場するシュークリーム
●シュー生地
<材料>(12個分)
・水………………90cc
・無塩バター……50g
・塩………………少々
・薄力粉…………60g
・鶏卵……………3個
<作り方>
(1)室温に戻したバターと水を鍋に入れ、沸騰させる。この中にふるった薄力粉を加え加熱する。
(2)(1)を火から下ろし粗熱を取り、卵を少量ずつ加え、ゆっくり落ちる程度に伸ばす。
(3)絞り袋に生地を入れ、オーブンペーパーを敷いた天板に生地を絞り出す。
(4)形を整え、軽く霧を吹いてから190度Cのオーブンで約15分焼き、温度を180~160度Cに下げてさらに15分焼く。焼き上がったら火を止め、そのままオーブンの中に10~15分おいて乾燥させる。
(5)クリームを絞り入れるため、上から1/3くらいのところに水平に切り込みを入れる(☆)。
●カスタードクリーム
<材料>(同)
・牛乳……………カップ2
・グラニュー糖……100g
・卵黄…………………4個
・生クリーム…カップ1/2
・薄力粉……………20g
<作り方>
(1)牛乳にグラニュー糖50gを加えて沸騰直前まで温める。
(2)卵黄に残りのグラニュー糖を加えしっかりと混ぜ、薄力粉を加えてさらに混ぜる
(3)(2)に(1)を少しずつ加えてよく混ぜ鍋に戻し火にかける。
(4)沸騰してきたら鍋の中でしっかりかき混ぜる。
(5)とろみがついたら容器に移し、急速に冷やす。
(6)粗熱が取れたらこして泡立てた生クリームと合わせる。
(7)☆でつくったシューに絞り入れて出来上がり!