「脂肪率」は「死亡率」 あなたの適正体重は? 肥満度を算出してみよう

1997.05.10 20号 3面

減量を始める前に自分が本当に肥満かどうか簡単にできる方法でまずチェックしてみよう。国際的に通用しているBMIという方法を用いる。BMI(BODY MASS INDEX)とは、体格指数による肥満測定法のこと。

これが注目されたのは、BMIの数値とさまざまな病気の合併症や死亡率との間に一定の関係があることが明らかになったからだ。病気にかかりにくく、死亡率も低い人のBMI値は、日本人の場合22前後である。図3の方法に従い、BMI値、健康を保つ理想体重、肥満度まで算出してみよう。

とはいっても、BMI方式を使った肥満度はあくまで目安でしかない。体重、身長から算出する方式では体内の脂肪量が測れないからだ。

「体重が多いことが太っていること」と、多くの人は考える。だが、医学的な肥満の定義は「肥満とは、単に体重過多を指すのではなく、身体を構成する成分のうち脂肪組織の占める割合が異常に増加した状態」とされている。

成人の身体で六○~七○%が水分、一五~二○%がタンパク質、一五~二五%が脂肪分という構成の範囲ならOKだが、男性の体脂肪率が二五%、女性で三○%を超えたとき、肥満とされる。

横綱の貴ノ花関は身長一八四cm、体重一三○kgであるが、体内脂肪率は二五・二%だったという。お相撲さんは体重は多いが、過度な肥満ではないのだ。

肥満を正確に測定する器具は数年前までは専門の病院、研究施設にしかなかった。しかし現在では家庭でも手に入れることができる価格で「体脂肪測定器具」が続々と開発されている=写真。

どの器具もインピーダンス測定方式を採用し、身体に極微量の高周波電流を流し、生体インピーダンスから体脂肪を測定するもの。簡単・安全に体脂肪率が測れる器具の誕生は、健康管理に大きく役立つはずだ。

悪者扱いにされる脂肪だが、その細胞はいわばエネルギーの貯蓄タンクだ。糖分、脂肪、タンパク質などの栄養素は消化吸収されるとエネルギー源となるが、使用されなかったものはすべて中性脂肪に変わり、脂肪細胞の中に蓄えられる。

このとき摂取したエネルギー量が、消費する量を上回っていると、脂肪組織が風船のような膨らんでしまう。これが肥満の原因となるもの。

では消費するエネルギー量を増やせばいいわけだが、一日に消費されるエネルギー総量の約五割は、基礎代謝に使用される。基礎代謝とは、呼吸や心臓の拍動など生命を維持するために必要なエネルギーのこと。

これは年齢とともに消費量が低下する。年齢が高くなると、基礎代謝だけでなく運動量も減るので、消費エネルギーはますます減ってしまう。

「食べ過ぎてはいないのに太る」と感じている人は、若いころと同じ量の食事をしているのでは?

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