おはしで防ぐ現代病:糖尿病におすすめの五茶

2002.09.10 85号 14面

一四〇〇万人の日本人を悩ませる糖尿病。完治が望めないこの病と一生うまくつきあうには、ふだんの生活がカナメとなる。それにはまず「無茶をしない」こと。糖尿病コントロールに役立つお茶について健康科学研究所の久郷晴彦所長に聞いた。 一般に糖尿病の治療は、食事療法と運動療法の二つが柱となりますが、それは悪化させないに過ぎず、糖尿病の完治は最新医療をもってしても望めないのが実情。つまり糖尿病を患った人は食事療法も運動療法も生涯続けるという、大きな負担を背負うわけです。

その負担を少しでも軽減するため、糖尿病のコントロールに役立つ健康茶が注目されています。日々の生活に「無茶」は厳禁。次のようなお茶を手軽に活用してみましょう。

(1)ギムネマ茶

ギムネマは、東南アジアや中国南部に分布するガガイモ科のつる性多年草。この葉を噛むと数分で砂糖の甘さが感じられなくなるため、古代インド人たちは「砂糖を殺すもの」と呼んだ。ギムネマの葉に含まれるギムネマ酸という物質が小腸での糖分吸収を抑えるため、食後の血糖値の急上昇を防ぎ、またダイエット的効果も認められている。

(2)グァバ茶

グァバは東南アジアや熱帯アメリカに分布するフトモモ科の常緑樹。果実はトロピカルフルーツとして食され、葉は健康茶として使われる。グァバの葉は、小腸で糖分を分解する酵素の働きを阻害する成分「グァバ葉ポリフェノール」を含む。よって血糖値が急上昇することを避けることができ、またポリフェノールとして強力な抗酸化作用も期待できる。

(3)クマザサ茶

クマザサは、温帯から亜熱帯に分布するイネ科の植物。殺菌作用や健胃効果、血液をサラサラにする作用などさまざまな薬理効果がある。糖尿病では血糖値が必要以上に高まり、血液が固まりやすくする。その結果引き起こる合併症を、クマザサに含まれる葉緑素(クロロフィル)などの有効成分が改善してくれる。

(4)クコ茶

クコは、東アジアに分布するナス科の落葉低木。葉は、体内の毛細血管を強化するビタミンPの一種・ルチンをはじめ多くの有効成分を含む。糖尿病になると毛細血管がもろくなり、簡単に傷みやすく網膜症や腎症などの合併症が起こる。ルチンの毛細血管強化作用と、クコに含まれる抗酸化物質が、合併症や動脈硬化などの予防に寄与する。

(5)カキの葉茶

秋の味覚・カキの葉の部分には、血圧降下作用のあるケンフェロールとクエルセチンという物質が含まれている。糖尿病だけでなく、血管を傷める要因には高血圧もあげられるので、カキの葉の血圧降下作用が有効。さらにカキの葉はビタミンCも豊富で、その抗酸化作用も血管補強に役立つ。

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