季節を楽しむ漢方スローライフ(37)新生活

2013.04.10 213号 08面
「じゃがいもとプチトマトのココット」

「じゃがいもとプチトマトのココット」

「イスクラ麦味参顆粒」

「イスクラ麦味参顆粒」

 ●新生活 始まりの季節

 期待に胸ふくらませ

 *

 春は始まりの季節。新学期や新しい職場がスタートし、多くの人が期待に胸をふくらませて新たな一歩を踏み出します。そんなワクワクする気持ちを、普段の暮らしの中にも見つけてみましょう。気になっていた趣味やスポーツを始めてみる――そんなチャレンジも素敵ですね。

 ◆「気」の消耗が心身の不調に

 新しい一年が始まるこの時期は、心も身体も元気に過ごしたいもの。ところが、春は季節の変わり目で体調を崩しやすく、疲れやすい、やる気が起きない、といった不調に悩まされることも少なくありません。

 これは、春先の大きな気温差などによって、体内の「気(エネルギー)」を消耗してしまうことが原因と中医学(中国の伝統医学)では考えます。気は生命のエネルギー源で、心と身体の“元気”をつくる大切な要素。そのため、体内の気が不足すると、疲れやすい、気分が憂うつになる、といった心身の不調が起こりやすくなるのです。

 また、気は「血」と一緒に体内を巡っているため、気が不足したり、流れが滞ったりすると、〓血(おけつ)(血行不良)の状態を招いてしまうことも。春は環境の変化で気を使うことも多く、ストレスで体内の気が滞りやすくなります。バランスの良い食事で気を養いながら、ストレスを上手に発散して気の流れをスムーズに保つよう心がけましょう。

 ◆夏に向けて「気」と「潤い」の養生を

 この時期は、長い冬の乾燥が影響して身体の潤いも不足しがちになります。潤い不足の状態は咳や風邪などの不調にもつながるため、食材選びに気を配るなど、体内の潤いを養うことも必要です。

 これから少しずつ、暑さを感じる季節を迎えます。夏の猛暑を乗り切るためにも、春の体調管理はとても大切。気と潤いをしっかり養って、身体を元気に整えておきましょう。

 食材は、気を養う米、じゃがいも、キャベツ、豆類、カツオ、サワラ、牛肉、潤いを養うアスパラガス、トマト、いちご、卵、乳製品などがおすすめです。

 漢方では、気と潤いを養って身体を元気にする『イスクラ麦味参顆粒』、〓血(おけつ)には『イスクラ冠元顆粒』などがよく使われます。

 〈監修〉包海燕(中医学講師)

 ●ハレの日薬膳レシピ:「じゃがいもとプチトマトのココット」

 気を養うじゃがいもと潤いを養う卵やトマトを使って

 〈材料・ココット4個分〉

 ・じゃがいも………中2個

 ・プチトマト………8個

 ・卵…………………2個

 ・牛乳………………大さじ4

 ・塩…………………小さじ1/5

 ・こしょう…………少々

 ・ピザ用チーズ……50g

 ・バター……………適量

 〈作り方〉

 (1)じゃがいもは皮をむいて1cm角のさいの目に切り、塩(分量外)を入れた湯で約5分茹で、ザルに上げる。プチトマトはヘタを取り、縦半分に切る。

 (2)ボウルに卵をときほぐし、牛乳、塩、こしょうを加えてまぜ、(1)のじゃがいもとピザ用チーズの2/3量を加えてまぜ合わせる。

 (3)ココットにバターを塗り、(2)を分け入れてプチトマトをのせ、さらに残りのピザ用チーズを上に散らす。180℃に熱したオーブンに入れて約15分焼く。

 レシピ担当:鈴木理恵(国際薬膳師、管理栄養士)

 ●季節のオススメドリンク

 香西洋茶 ウコギ科西洋人参のお茶。ほんのりとした苦味と香りが特徴。

 ●春キャベツは気を養います。

 カレンダーの中からハレの日や旧暦の行事を見つけたら、その由来をお話ししませんか。季節の移ろいを楽しみながら。

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