季節を楽しむ漢方スローライフ(47)節分

2014.02.01 223号 08面
簡単サムゲタン風スープ

簡単サムゲタン風スープ

イスクラ参茸補血丸

イスクラ参茸補血丸

 春の招福を願って

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 2月3日の節分は、立春の前日。春を新年の始まりとした旧暦では大晦日にあたり、厄払いと新年の招福を願って「鬼は外、福は内」と豆をまく風習が生まれました。新年を迎える意味はなくなりましたが、春の福を願って豆まきをするのは楽しいもの。余った炒り大豆は、豆ごはんでいただくのもおすすめです。

 ●「気・血・陽気」の不足で冷え症に

 暦の上では春を迎えますが、2月は最も冷え込みが厳しい時期。手足が冷たくて寝付けないなど、つらい冷えに悩まされることも多いのではないでしょうか。冷え症は、ひどくなると頭痛や肩こり、生理痛などさまざまな不調を引き起こします。積極的に改善して、“冷え知らず”の元気な身体をめざしましょう。

 冷え症は、身体を温める「血」が体内を十分に巡っていない状態と中医学では考えます。血の巡りを悪化させる主な要因は、まず「血の不足」。月経がある女性は、特に注意が必要です。また、体内の「気」は血流を促すエネルギーとなるため、「気の不足」や「気の停滞」も、血流の悪化につながります。

 もう一つ、五臓の「腎」によって養われる「陽気」にも、体内を巡って身体を温める働きがあります。そのため、加齢などで腎の働きが弱くなると、陽気が不足して身体が冷える原因に。高齢者は、特にこのタイプの冷えが起きやすいので注意しましょう。

 ●生活習慣から冷えを改善

 冷え症改善のカギは、“冷えない生活習慣”を身に付けること。バランスの良い食事でしっかり栄養を取り、体内の気・血を十分に養いましょう。また、寒さに弱い腎を守り、血行を良くするためにも、薄着を避ける、入浴で温まる、冷たい飲食は控えるなど、身体を冷やさない心がけを。ストレスをためず、気の流れをスムーズに保つことも大切です。

 食材は、身体を温めるねぎ、しょうが、ニラ、にんにく、山椒、腎の働きを補う鶏肉、えび、山芋、豆類、くるみ、栗などを積極的に。黒砂糖やシナモンを入れた紅茶もおすすめです。

 漢方では、気・血を補い冷えをやわらげる『イスクラ婦宝当帰膠』、腎を補う『イスクラ参茸補血丸』などがよく使われます。

 監修・張立也(中医学講師)

 ●ハレの日薬膳レシピ:簡単サムゲタン風スープ

 身体を温める鶏肉・ねぎ・しょうがを使って

 〈材料・2人分〉

 ・鶏手羽先…………………4本

 ・しょうが(薄切り)……4枚

 ・ねぎ(白い部分)………15cm

 ・ねぎ(青い部分)………5cm

 ・ナツメ……………………4個

 ・クコの実…………………適量

 ・酒…………………………大さじ2

 ・塩・こしょう……………各適量

 ・水…………………………4カップ

 〈作り方〉

 (1)鶏手羽先は水洗いし、関節で切り離す。ねぎの白い部分は2.5cm長さのブツ切りに、青い部分は小口切りにする。ナツメとクコの実はサッと水洗いする。

 (2)鍋に鶏手羽先としょうが、ねぎの白い部分、ナツメ、酒、水を入れて火にかけ、煮立ったらアクを取りながら、弱火にして20分煮る。

 (3)クコの実を加え、さらに5分煮て塩、こしょうで味を調える。

 (4)器に盛り、ねぎの青い部分を散らす。

 レシピ担当:鈴木理恵(国際薬膳師、管理栄養士)

 ●季節のオススメドリンク

 イスクラ冠藤茶(かんとうちゃ)血を養い巡りをサポートします

 ●しょうがやねぎは身体を温めます。

 カレンダーの中からハレの日や旧暦の行事を見つけたら、その由来をお話ししませんか。季節の移ろいを楽しみながら。

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