ヘルシートーク:参議院議員・林芳正さん

2016.07.01 252号 05面
国会議員4人で結成している音楽ユニット「Gi!nz」

国会議員4人で結成している音楽ユニット「Gi!nz」

 「Gi!nz(ギインズ)」を知っていますか? 国会議員で結成している音楽ユニットで、メンバー自ら作詞作曲した曲を中心にライブ活動を行っています。CDやコンサートの収益は骨髄バンク、スマトラ島沖地震、コソボ支援、最近では熊本地震などのチャリティー活動にあてている「Gi!nz」。中心メンバーであり農林水産大臣も務められた林芳正さんに、音楽活動についてじっくり、プライベートのお野菜生活についても少々、お話をうかがいました。

 ●音楽ならメッセージを伝えやすいから4人の声は多国籍!?

 現在の「Gi!nz」結成は1997年。その2年前、参議院議員に初当選して、同期の山本一太さんと2人とも音楽の経験があったのでやろうかと。その後、メンバー交代があって、小此木八郎さん、浜田靖一さん、私という顔ぶれに。2001年、松山政司さんが初当選してメンバーとして加わりました。ビートルズでいったらジョージ・ハリスンみたいな感じかな。

 どうして議員が音楽を始めたのか。当時、若者の政治に対する無関心が問題になっていましたが、本当にそうなのかと。大演説や堅苦しいパンフレットだから伝わっていないだけではないのか。もっと親しみのもてる方法、たとえば音楽でメッセージを発信できないか、そんなことを仲間と話し合っていたことがきっかけでした。

 いまのメンバーになってから15年、よく続いているなと思います。4人ともまったく系統の違う声。小此木さんはスティービー・ワンダーみたいな黒人的な声、僕はどちらかというとニューミュージック系、松山さんは日本の民謡、演歌系で、こぶしが回るんです。そこに浜田さんが入って4人で歌うと、いいハーモニーになるんです。

 ●バンド活動は中3からバイオリンが事始め

 母が音楽好きで、幼稚園の頃からピアノを習わされました。男の子だから本当はイヤだったんです。それで小学校に上がる時に「辞めさせてくれ」とお願いしたら、「他の楽器をやるのなら」と。それでバイオリンを始めました。

 バンド活動は中学時代から。グレープの「精霊流し」という曲、かぐや姫の「神田川」も、前奏がバイオリンなんです。そこで、僕のバイオリンと同級生のギターで、中3の文化祭で演奏したのが最初。バンド名は「徒然草」、いま考えると渋いですね(笑)。

 その後、バイオリンもいいけど前奏を弾いたら後は突っ立っているだけだから、このままじゃいかんなと思って。ずっとビートルズのポール・マッカートニーが好きだったので、高校の入学祝いにベースを買ってもらったんです。クラスの仲間とバンドをつくり、僕はベースに。そのうち他校の仲間と一緒にやり出したらキーボードがいないので、見よう見まねで鍵盤も。大学時代は早稲田のサークルに入って、そこではベース。自分が通う東大でもバンドをつくって、そこではギターを弾き始めて。ギターは、バイオリンの経験が生きる気がしますね。思えばいろいろな楽器をやってきたものです。

 ●「東京卒業」に思いを込めて好きなアーティストは3B

 曲が浮かぶのは、移動の飛行機の中。ふと思いついてメモして、家に帰ってからピアノの前でコードをつけてという感じでしょうか。家族には完成するまで聞かせません。かなりクリティカル(批判的)ですから。生の時に聞かせると私の創作意欲がなくなってしまうほど(笑)。ちゃんとできて、「どうだ!」っていうところまでは聞かせない方がいいですね。

 一番思い入れのある曲は「東京卒業」。こういう活動をやろうとして最初に浮かんだ曲です。卒業した山口の下関西高で、僕は30歳で同窓会幹事をやりました。卒業して12年、その時、同級生は地元在住が238人中20人くらい。みんな進学でどこかの街へ出て、そこで就職する。それでは地元が大変です。それで、いまでいう地方創生の思いから、この曲をつくりました。松任谷由実さんの「SURF&SNOW」がモチーフにあって、その後日談の風景です。「そんな時代も十分楽しんだね、だからいまはもう故郷に帰ろうよ」と。それに環境問題もプラスしました。

 好きなアーティストですか? 私は「3B」なんです。ポップスではビートルズ、クラシックはベートーベン、ジャズがビル・エヴァンス。勝手な解釈かもしれないけれど、基礎がきちんとしていて、その上に何か新しいことをやり、時代を切り拓いたところが「3B」には共通しているように思います。そういうところが好みです。

 ●枝豆と空芯菜が好き 実は肉が大好物なのですが…

 食事では肉好きです。故郷の下関はフグのイメージが強いけれど、実は隠れた焼肉の特産地なんですよ。関釜フェリーというのが下関と韓国の釜山の間を1日1往復しているのでコリアンタウンもあって、焼肉が実においしい。とはいえ、いまはややオーバーウエートなので、肉ばかり食べるのはいけないんです。

 それで間をとってというか、妻が圧力釜でロールキャベツなどをつくってくれて、肉と一緒に野菜をたくさん食べるようにしています。忙しいはずなのに、器用に何でもつくってくれますね。フグの「身欠き」を刺身にすることもあります。

 夏野菜ではきゅうりが好きですね。それから、かぼちゃに空芯菜。でもなんといっても一番は枝豆です。

 通年物の野菜では、もやしが大好きです。農林水産畑ですから、皆さんにもっとたくさん野菜を食べていただきたいといつも思っています。僕も妻のロールキャベツで体重管理、頑張ります!

 ◆プロフィール

 はやし・よしまさ 1961年生まれ。1984年、東京大学法学部卒業。1993年、大蔵大臣政務秘書官に就任。1995年、第17回参議院議員選挙(山口県選挙区)で初当選。2001年、第19回参議院議員選挙(山口県選挙区)で再選。2008年、防衛大臣就任。2009年内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)就任。2012年農林水産大臣就任。2016年現在、自民党税制調査会副会長

 ◆「Gi!nz」とは?

 国会議員4人で結成している音楽ユニット。メンバーは、衆議院議員:小此木八郎さん(ボーカル)、衆議院議員:浜田靖一さん(ボーカル)、参議院議員:林芳正さん(ボーカル、ギター、ピアノ)、参議院議員:松山政司さん(ボーカル、ギター)

 ◎「Gi!nz」のライブをAR動画で観よう!

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