漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(133)穀雨 種まきを助ける恵みの雨

2021.04.01 309号 08面
いちご

いちご

いちごとアスパラのサラダ

いちごとアスパラのサラダ

 ●24節気 穀雨(4月20日~5月4日)

 穀物を潤し育てる春の雨の頃。二十四節気を3つに分けた七十二候では、初候「芦(あし)はじめていず」は水辺の植物の芽吹き。次候「霜やんで苗いず」は霜のおおいがとれ苗が育つ様が。末候「牡丹はなさく」と華やかな赤白の花弁をたたえています。

 二十四節気は農業暦として誕生。種まきや田植えの時期に降る雨は「百穀春雨(ひゃくこくはるさめ)」とも呼ばれ、あらゆる穀物にとって恵みとされていました。作物を上手に育てるためには、この穀雨の前に種まきを終えることが大切とされました。

 3月初旬は、勢力を増し始める太平洋高気圧とまだ頑張ろうとするシベリア寒気団がせめぎ合い不安定な気候が続きます。その後、天候が安定した清明になり、次に来るのがこの穀雨。ここでまた少し雨が降ります。丁度良い具合に種まき後の作物にとって助けになる雨です。

 そこで、穀雨の前に種まきを終えようと、農家は忙しく作業に追われます。脇のあぜ道にはレンゲソウが咲き、周辺の里山は芽を吹く。里や山村の風景が一番美しくなる時ですね。自然の息吹が私たち人間を強く励ましてくれている。そんな季節が穀雨なのです。

 ●気象歳時記

 五運六気・辛丑年(2021年)

 少陰君火がとても強く、春としてはかなり温かい気候になるかもしれません。

 ●いちご

 【栄養学】ビタミンCが多く、5~6粒食べると1日の必要量が摂取できます。葉酸も豊富なので貧血の予防にも。

 【薬膳学】酸味と甘味の相乗効果で身体を潤します。滋陰養血の作用があり、血液不足の改善が期待されます。

 東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 奈良理香子(レシピも)

 ◆いちごとアスパラのサラダ

 のどや肌を潤します

 エネルギー154kcal たんぱく質4.3g 塩分0.4g(1人分)

 <材料・2人分>

 ・いちご……4粒

 ・アスパラガス……4本

 ・うずら卵(ゆで)……6個

 A・レーズン……大さじ1

 A・レモン汁……大さじ2

 A・オリーブ油……大さじ1

 A・はちみつ……小さじ1

 A・塩……少々

 <作り方>

 (1)いちごはヘタをとって洗い、縦4等分にする。アスパラはピーラーで根元の皮をむき、斜め切りにして熱湯で2分ほどゆで、粗熱を取る。

 (2)ボウルにAを入れて混ぜ、うずら卵と(1)を加えて混ぜる。

 ※ゆでたアスパラは、食べる直前に混ぜると色がきれいに。うずら卵は、半分に切ると華やかになります。

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