漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(141)冬至 きょうから昼が長くなる

2021.12.01 317号 08面
大根

大根

大根と鶏肉のしょうが煮

大根と鶏肉のしょうが煮

 ●24節気 冬至(12月22日~1月4日頃)

 太陽の黄経が270度となり、北半球では昼が最も短く、夜は最も長くなります。二十四節気をさらに3つに分けた七十二候では、初候は「なつかれくさ生(しょう)ず」とうつぼぐさの芽が出る様を。次候は「しかの角おつる」と大鹿の角の生え変わりを。末候は「雪下麦を出だす」と、積もる雪の下でも麦が芽を出す様が描かれています。万物が眠る季節といっても、この時期に地中で芽吹く力を持つ植物もあります。

 さて、昼が短いとはどういうことでしょうか。

 昼夜の長さが変わるのは地球の自転する軸が太陽に対して傾いているからです。北極が太陽から遠くに傾いているときに北半球では一番昼が短くなり、冬至の日を迎えます。

 そして、この日を境に日が長い方に向かっていく事から縁起の良い日とも考えられ、より運気をあげるために「ん=運」がつく食べ物を食べるという風習もあります。

 有名なのはかぼちゃ。別名「なんきん」なので、「ん」が確かにつきます。これから旬の冬野菜では「大根」がおすすめ。栄養学でも薬膳でも、これからの季節対応のチカラがいっぱいです。

 ●気象歳時記

 五運六気では、2021年(辛丑年)の司天の気がもし余ったら、次の壬寅年に移行できず、来年初めも湿気が残るかもしれません。

 ●大根

 【栄養学】ビタミンCや消化を助ける酵素のアミラーゼを含みます。皮つきで料理すると食物繊維も取れ、便秘の予防効果も。

 【薬膳学】消化を促進し、消化不良・胃もたれ・胸やけを改善。肺を潤し、風邪の熱・ノドの痛み・咳・痰に効果が期待できます。

 東京栄養士薬膳研究会

 管理栄養士・国際薬膳師 葭谷麻利子(レシピも)

 ◆大根と鶏肉のしょうが煮

 脾胃を補い、気血を養い、寒さに強い身体を

 エネルギー246kcal たんぱく質14.7g 塩分1.3g(1人分)

 <材料・2人分>

 ・大根……5cm(150g)

 ・にんじん……5cm(50g)

 ・長ねぎ……1/2本

 ・鶏もも肉……1/2枚

 ・栗(甘露煮)……2個

 ・ブロッコリー(ゆで)……小4房

 A・油……小さじ1

 A・しょうが(うす切り)……20g

 B・オイスターソース……大さじ1

 B・酒……大さじ1

 B・塩……少々

 B・水……150ml

 <作り方>

 (1)大根は縦6等分して1cm幅に切る。にんじんは皮をむき縦2等分し、1cm幅に切る。長ねぎは2cm幅の斜め切りにする。

 (2)鶏肉は3cm角に切る。鍋にAを入れ、鶏肉を皮から焼き、(1)の野菜を加えて炒める。

 (3)Bを(2)に入れフタをして弱火で20分煮て、2つに切った栗とブロッコリーを加える。

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