漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(162)秋分 いわし雲ときのこの季節
●24節気 秋分(9月23日~10月7日頃)
夏の真っ最中は、秋はずっと先のようにも思えます。けれど雷のゴロゴロが収まる頃、ふっと空を見上げると、先週までの入道雲がいわし雲に変わっている。そんな日がありますね。
秋の雲は魚関係の名前で呼ばれます。鱗に似ている「うろこ雲」。鯖の背の波模様のような「さば雲」。「いわし雲」は1匹ずつの形容ではなくて鰯の群れのようだから。いずれも高度5000~1万3000m程度にできる巻積雲(けんせきうん)のあだ名です。秋は空気が澄み渡り上空まで見渡せるため、巻積雲もよく見えます。
山に目を移すと、きのこの季節。倒れた木や切り株などに発生したことから「木の子」とも。それぞれ特定の樹木によく発生することから、椎茸(しいたけ)、榎茸(えのきたけ)、松茸(まつたけ)などの名前がついたとか。椎の木に感謝して、季節の恵みをいただきましょう。
●ごうんろっきで気象うらない
五運六気・2023年(癸卯年)
在泉の少陰君火をベースに、客気の厥陰風木が重なり生暖かい風が起こりやすそうです。
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五運は、5惑星「木(風)・火(暑、熱)・土(湿気)・金(乾燥)・水(寒)」をなぞらえた天の気。六気は、地球の地の気である「風・寒・暑・湿・燥・火」。この組み合わせで24節気ごとに巡ってくる気象と、それが私たちの身体に及ぼす影響を予想するのが「五運六気」。
◆茶巾豆腐のしいたけあんかけ
胃腸を整えてパワーを上げましょう!
エネルギー141kcal たんぱく質13.2g 塩分1.2g(1人分)
〈材料・2人分〉
・木綿豆腐……2/3丁(200g)
・えのきたけ……1/10束(20g)
・ホタテ貝柱……2個
・卵……1/3個
・しいたけ……大1個
A・かつおだし……120ml
A・うす口しょうゆ、みりん、酒……各大さじ1/2
・水溶き片栗粉(片栗粉:大さじ1/2、水:大さじ1/2)
・しょうが汁……少々
・クコの実(湯でもどす)……10粒
・あさつき……10cm
〈作り方〉
(1)豆腐はしっかり水をきり、くずす。卵を溶き、えのきたけは1cmに切る。ホタテは6等分して酒と塩(分量外)を少々ふり、全部を混ぜる。
(2)2つの器に大きめにラップを敷き、(1)を入れ茶巾に絞る。電子レンジ(500W)で、1個当たり1分40秒かける(まとまる状態まで)。出た水分を除く。
(3)しいたけは、半分にして薄切りにし、Aと鍋に入れて火にかける。沸騰したら弱火にして、水溶き片栗粉でとろみをつけ、しょうが汁を加え(2)にかける。クコの実と小口切りのあさつきをちらす。
●しいたけ Shiitake mushrooms
【栄養学】日に当たるとビタミンDに変化する「エルゴステロール」が含まれ、カルシウムの吸収を助けます。
【薬膳学】乾燥の季節。しいたけで胃腸の力を上げ、身体を元気にします。乾燥に弱い肺を潤す白い食材と合わせて効果を高めます。
東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 陶山睦子(レシピも)