スナック菓子特集
◆スナック菓子特集:ポテトチップス完全復活 価格改定、新価格定着に注目
2018年のスナック菓子の生産数量は、23万6978tで前年比2.9%増、出荷金額は、2739億円で同2%増と堅調に推移した。特に生ジャガイモを使用したスライスポテトチップスは、数量が15%増、金額が13.6%増、シューストリングは生産が29.1%増、金額が36.6%増と大幅伸長となり、完全復活を遂げた。これは、16年9月に北海道を襲った台風10号の被害で道産ジャガイモの調達不足を受け、17年4月以降大手ポテトチップスメーカーを中心に、一部製品の休売・終売したことに伴う事態、いわゆる「ポテトショック」から回復したことによるもの。
17年度産のジャガイモが潤沢な収穫となったことに加え、品質も高く、歩留まり率が良いことから、17年9月以降本格的にポテトチップス製品は、順調に商品供給が進んだ。さらに、増量キャンペーン効果などで、生ジャガイモ使用のスライスポテトチップスの生産数量は「ポテトショック」前の水準を上回る10万t超えを達成した。
●コーン系スナックは苦戦続く
ポテトチップスが好調に推移する一方、コーン系スナックは、苦戦を強いられた。「ポテトショック」で生まれた、17年4月以降の「特需」が、「仮需」のままで終わるのかが18年試された格好だが、結果は前年実績を割り込んだ。これは、スナック菓子市場の上位2社とその他のメーカーという図式ではなく、カルビー、湖池屋の2社もコーン系スナックは、前年の実績を落としている。こうした状況を受け、湖池屋は、主力コーンスナック「スコーン」を刷新し、市場活性化に着手した。
19年は、価格改定と新価格が定着するかに注目される。カルビーは、ポテトチップスの一部商品を値上げし、「かっぱえびせん」などの内容量を減量すると発表した。価格を改定するのは、「堅あげポテト」(5月21日納品分から)、「カルビーポテトチップス」(6月4日納品分から)、「ピザポテト」(7月2日納品分から)など約59品で出荷価格を2.9~6.3%引き上げる。内容量を減量するのは、「かっぱえびせん」「サッポロポテト」「さやえんどう」など約4品で、7月22日発売分からで、4.4~6.3%減量する。
湖池屋は、ポテトチップスの一部製品を値上げする。「湖池屋ポテトチップス〈のり塩〉」などレギュラーサイズおよび徳用サイズは6月1日出荷分から、「カラムーチョ」「すっぱムーチョ」などは7月1日出荷分から実施する。レギュラーサイズで現行の参考小売価格120円を130円に引き上げる。価格改定率は7.5~8.7%。
価格改定の理由は、両社とも、物流費や原材料価格が上昇する中、コスト削減に務めたが、自助努力のみでは価格を維持することが極めて困難な状況にあると説明している。
(青柳英明)
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