ごま油特集
◆ごま油特集:家庭用、290億円台に 「かける」「あえる」など生食需要拡大
ごま油市場は18年も引き続き伸長、食用油屈指の成長分野として規模を拡大している。加熱用途に加え、家庭用を中心に「かける」「あえる」などの生食(生使い)需要が通年で増加。優れた風味や健康感も後押しし、市場規模は18年、家庭用で290億円(本紙推定)に到達した。19年も需要は依然好調で、生食調味料としての消費構成比も依然拡大し、初の300億円台の到達の可能性も十分。一方で、原料状況は悪化し、今後も不透明感が漂う。付加価値食用油の代表カテゴリーとして、コストに見合う価格形成は必須で、価格適正化を通じた健全成長が望まれる。(村岡直樹)
●原料状況は悪化 価格適正化が必須
同市場は近年、食用油屈指の“いぶし銀”分野として成長。大幅な前年割れがなく、オリーブオイル、キャノーラ油に続く食用油「第3のカテゴリー」としての地位を構築している。
安定成長の要因は多岐にわたるが、集約すれば“スキの少ない市場特性”に尽きる。風味や健康感、加熱・生食を網羅する用途性、幅広いニーズに対応できる容器・容量、トライアルに適した調合品など、いずれも売場の集客力に直結。ここ数年に限定すれば、食用油全体に対する健康価値の見直し、生食需要の拡大を受け、かつての「中華向け食用油」から完全に脱却。特に生食需要の拡大は日清オイリオグループ「鮮度のオイル」シリーズによる先鞭もあり、市場規模を一段階引き上げた。
一方で、コスト環境は深刻さを増す。原料の搾油用ごまの相場は17年を底に上昇に転じ、調達面でも難化の一途をたどる。最大手のかどや製油は2月に業務用に続き、7月からは家庭用でも価格改定を実施、各参入メーカーでも適正価格化への意欲は強い。
ごま油はここ数年の原料危機の中でも、安定供給を継続。この点も拡大継続の重要な要因となっている。家庭用300億円台へ向け、付加価値食用油としての価格適正化が求められている。
-
◆ごま油特集:家庭用、290億円台に 「かける」「あえる」など生食需要拡大
食用油 特集 2019.09.20ごま油市場は18年も引き続き伸長、食用油屈指の成長分野として規模を拡大している。加熱用途に加え、家庭用を中心に「かける」「あえる」などの生食(生使い)需要が通年で増加。優れた風味や健康感も後押しし、市場規模は18年、家庭用で290億円(本紙推定)に到達…続きを読む
-
ごま油特集:かどや製油 適正価格で安定供給 下期、袖ケ浦に新工場
食用油 特集 2019.09.20ごま油国内最大手のかどや製油は、家庭用トップブランド「金印純正ごま油」を中心に市場をけん引。「ごまの総合メーカー」として、優れた特性や使い方を積極発信し、家庭用では純正品による品質訴求を徹底している。 近年、市場規模が拡大する中、前期も多彩な施策で…続きを読む
-
ごま油特集:岩井の胡麻油 伝統製法の継続貫く 高評価受ける価値訴求
食用油 特集 2019.09.20横浜に本拠を構える岩井の胡麻油は、1857(安政4)年の創業以来、160年以上にわたり伝統製法である圧搾法を一貫して継続。化学製法や添加物を使用せず、品質や味覚を追求する製造体制を敷いている。 近年では、西日本への販路拡大も着実に進め、ロングセラー…続きを読む
-
ごま油特集:竹本油脂 家庭用比率アップへ 主力商品を刷新、販促注力
食用油 特集 2019.09.20【中部】竹本油脂の今期ここまでの売上げは前期並みに推移している。売上構成比は家庭用、業務用、メーカー向けとそれぞれ約3割ずつとなっており、今後は家庭用の比率を上げていく。業界の状況として、年初に原料の高騰による業務用ごま油の価格改定があったことで、業…続きを読む