似たモノ商品徹底比較:調理済みおでん 練り物メーカー品に支持

 コンセプトやパッケージデザイン、ネーミングなど、似ている商品を取り上げ、それぞれの特徴を解説。さらに消費者の反応も交え、類似商品が出ていることで分かる“話題の商品”を探る。

 ◆類似点・相違点のポイント

 食卓のあと一品や、夜食・小腹満たしにも好適な「調理済みおでん」。コロナ禍でCVSレジ横のおでんコーナーにも影響が出た中で、こうしたパック商品の露出も増えた。老若男女が好むメニューの一つということに加え、近年はおでんを低カロリー食とする向きもあり、人気は衰えない。今回は「調理済みおでん」の老舗といっても過言ではない練り物メーカーの袋入り既存2品と、容器入りで新規参入の新製品2品の計4品を比較した。

 試食前の第一印象では「おでん〈和風だし〉」(トーヨーコーポレーション)が、外装なしの縦長カップに珍しさとフットワークの軽さが感じられ、一番人気。次点は「お皿のいらない旨味だしおでん〈枕崎製造かつお節〉」(日本水産)で、パッケージの分かりやすさと簡便さで興味を集めた。

 試食後は「玉子入りおでん6種6個」(一正蒲鉾)が1位。だしの味わいの懐かしさと安心感に誰もが王道さを実感したもよう。次点は「お皿のいらない旨味だしおでん〈枕崎製造かつお節〉」で、カップ入りの圧倒的な便利さと味わいで票を得た。「おでん一人前」(紀文食品)は、だしのおいしさと、練り物の歯応えが高評価。「おでん〈和風だし〉」は歩きながらでも食べられる仕様に、アウトドアによいのではないかとの意見があった。

 購入する基準の一つとして、練り物メーカーのアイテムを支持する声が多数。「おいしさの点で間違いない」「味優先なので容器は不要」「価格と味の満足感」がその理由であった。一方、容器入りは「便利さの点で文句なし」「容器付きが割高なのは仕方ない」との回答。どちらにもそれぞれのよさがある。和メニューとしてなじみ深いおでんに“安心感”を求める声とともに、安価で一人分を手軽に食べられる点も人気の秘訣か。

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 詳しくは、月刊「食品新製品トレンド」の「徹底比較」コーナー参照。同誌では、新製品開発に役立つ情報やヒント、市場動向など多数の記事を掲載しています。

 ▽専用HP「食@新製品」http://foodsnews.com/

 ●一正蒲鉾「玉子入りおでん6種6個」

 ▽発売日=15年7月、全国▽価格/内容=403円(税別)/430g袋▽商品特徴=人気具材6種6個を入れた。スープは、鰹本枯れ節と一番だしを使用。具材は、大根、コンニャク、昆布、卵、さつま揚げ、焼ちくわ。

 ●紀文食品「おでん一人前」

 ▽発売日=01年、全国▽価格/内容=OP/450g袋▽商品特徴=焼津産鰹節と利尻昆布のうまみを利かせた。具材は、卵、大根、コンニャク、ゴボウ巻き、さつま揚げ、焼ちくわ、昆布。

 ●トーヨーコーポレーション「おでん〈和風だし〉」

 ▽発売日=20年10月13日、全国▽価格/内容=322円(税別)/230gカップ▽商品特徴=電子レンジでそのまま温めるだけ、皿要らずの縦長カップ入り。つゆは、鰹節、宗田鰹節、昆布だし、焼きアゴを使用。具材は、卵、大根、コンニャク、焼ちくわ。

 ●日本水産「お皿のいらない旨味だしおでん〈枕崎製造かつお節〉」

 ▽発売日=20年9月1日、全国▽価格/内容=OP/260gトレー付き袋▽商品特徴=皿が不要のカップ入りタイプで蓋を開けてレンジで温めるだけ。枕崎製造の鰹節のうまみだし使用。具材は大根、卵、コンニャク、ちくわ、鶏つくね。

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