似たモノ商品徹底比較:カレー粉 好みの味作り、レシピ提案を

調味 ニュース 2022.05.09 12395号 07面

 コンセプトやパッケージデザイン、ネーミングなど、似ている商品を取り上げ、それぞれの特徴を解説。さらに消費者の反応も交え、類似商品が出ていることで分かる“話題の商品”を探る。

 ◆類似点・相違点のポイント

 “カレー”は近年、カレールウ、レトルトカレー、カレー粉ばかりでなく、各食品カテゴリーでさまざまな使われ方をしている。カレーフレーバーそのものが年代を問わず好まれるため、採用しやすいという面も大きいだろう。その中で今回は、ルウやレトルト商材に比べ、家庭内調理において汎用(はんよう)性の高い「カレー粉」をピックアップ。ロングセラーアイテムから新製品まで5品を徹底比較した。

 アンケートでは、試食前に最も食べてみたいと思われたアイテムは「インデラ・カレー スタンダード」(ナイル商会)で、本格スパイスの利いたインドカレーへの期待が大きかった。次点は「赤缶カレー粉」(エスビー食品)で、ブランドへの信頼感と、なじみのある見た目と味への安心感から選ばれた。

 試食後も「インデラ・カレー」は人気1位を獲得。スパイスの香り高さと本格的な味わいで高評価。次いで「赤缶カレー粉」は、バランス感のある風味と、さまざまなメニューとの相性のよさに「さすが赤缶!」との声が多数。また、「スパイスデリ 新宿中村屋 純カリー粉」(中村屋)は、奥行きのある風味が大人向けという意見。「GABAN カレーパウダー〈PROFESSIONAL BLEND〉」(ハウス食品)は、複雑な香りの本格さと、赤とは反対の“青缶”に引かれるとの声。「蜂カレー」(ハチ食品)は、他の4品に比較するとマイルドな食べやすい味わいとともに、懐かしさも感じられるという意見が挙がった。5品いずれも、それぞれに好評という結果となった。

 今回のモニターでは、普段から「カレー粉」を使用しているのは3割強。購入しないモニターの理由は、「なんとなく難しそう」という回答が代表するように、「調味が面倒」「レパートリーがなく利用機会が少ない」「使い切れなそう」という声が占めた。

 一方、レシピの提案が豊富にあれば、ぜひ利用したいと思う人は9割を超えた。実際、愛用している3割のモニターは、いわゆる“カレー”以外で調味料として活用しており、「意外なアイデアが欲しい」「簡単においしいく作りたい」など、好みに沿ったレシピ提案が望まれている。各製品の特徴にマッチした、積極的かつ継続的なレシピ提案が待望されているといえる。

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 詳しくは、月刊「食品新製品トレンド」の「徹底比較」コーナー参照。同誌では、新製品開発に役立つ情報やヒント、市場動向など多数の記事を掲載しています。

 ▽専用HP「食@新製品」http://foodsnews.com/

 ●エスビー食品「赤缶カレー粉」

 ▽発売日=1950年、全国▽価格/内容=356円(税込み)/37g缶▽商品特徴=三十数種類のスパイスを絶妙な比率でブレンド。日本のカレー文化の基本を作ってきたロングセラーアイテム。

 ●ナイル商会「インデラ・カレー スタンダード」

 ▽発売日=1952年、全国▽価格/内容=638円(税込み)/100g缶▽商品特徴=インド特有の方式に入念な研究を重ねた独自のブレンド技術が生み出した、香り高さが楽しめる。保存料・合成着色料など不使用。

 ●中村屋「スパイスデリ 新宿中村屋 純カリー粉」

 ▽発売日=15年2月16日、全国SM、CVSなど▽価格/内容=430円(税別)/40g瓶▽商品特徴=オリジナルブレンドのスパイスを高温で焙煎した後に石壷でスタンピング。熟成させ、深い香りとコクを引き出した。

 ●ハウス食品「GABAN カレーパウダー〈PROFESSIONAL BLEND〉」

 ▽発売日=22年2月14日、首都圏▽価格/内容=350円(税別)/35g缶▽商品特徴=「GABAN」シリーズ。20種類以上のスパイスやハーブの特徴に合わせて加熱、焙煎(ばいせん)の加工条件を設定。個々のスパイスの香りを最大限に引き出した。

 ●ハチ食品「蜂カレー」

 ▽発売日=16年3月28日、全国▽価格/内容=320円(税込み)/40g缶▽商品特徴=日本初の国産カレー粉を調合した大和屋二代目今村弥兵衛、伝承。厳選された22種類のスパイスを調合し、芳醇(ほうじゅん)な香りに仕上げた。

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