寒天特集

◆寒天特集:コロナ禍、業務用ニーズ直撃 アフターコロナは健康志向の拡大へ期待

水産加工 2020.07.22 12086号 06面
記録的な暖冬で19~20年製造期は減産となった角寒天(茅野市)

記録的な暖冬で19~20年製造期は減産となった角寒天(茅野市)

 伝統と先進性を併せ持つ寒天。豊富な食物繊維による健康機能の認知拡大などを追い風に続いていた堅調な需要に、新型コロナウイルスの感染拡大が影を落としている。原料用途で大きなウエートを占めている和菓子関連は、土産・贈答ニーズがストップ。内食化で家庭用製品は一定の伸びを見せているものの、業務用のマイナスを補うには遠く及んでいない。一方で、最大のネックだった原料海藻、原藻の価格高騰には、コロナ禍が一服感をもたらしている。

 国産天草は10kg当たり2万円を超えるなど、「手が出ない」(メーカー関係者)価格帯に達していたが、外出自粛などで需要が激減した高級海産物などに代わって採集する漁師が増え、相場安の傾向が見られる。輸入原藻も、紅藻類テングサ科原藻の最大産出国、モロッコの輸出規制緩和や、中国産テングサの拡大に危機感を募らせる韓国産の値崩れなどで今後、価格下落が進みそうだ。19年12月から20年2月の天然製造期を直撃した記録的な暖冬、そしてコロナ禍と、次々と災難に襲われる業界。アフターコロナへの出口はまだ見えないが、「“コロナ太り”などの反省から健康志向が強まれば、寒天にとってチャンス」(メーカー)との期待も高まっている。(長野支局長=西澤貴寛)

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