ヒットの兆し:越後製菓「ふんわり名人あんこ餅」 あずき本来の風味を追求

菓子 ニュース 2020.08.31 12107号 01面

 越後製菓は米菓「ふんわり名人」ブランドで、あんこと生地の一体感を追求し本物の風味に限りなく近づけた「あんこ餅」=写真=を9月から発売する。同社ではシリーズで圧倒的支持を誇る4番打者「きなこ餅」に肉薄する売上げを期待している。

 「ふんわり名人」が本格的に世に広まり始めたのが約15年前。それまで米菓は硬く歯応えがあるものが主流だったが、製造方法を見直し既成概念にとらわれず10年の歳月を経て開発。口の中に入れるとジュワッと溶ける食感が特徴で、年齢を問わず親しまれ今やアジアを中心に海外にも広がる。国産もち米100%を使用し、和三盆や北海道産など国産原料にもこだわる。

 ラインアップを充実してきたが、通年販売の「チーズもち」でもきなこの4分の1ほどと、主力が不動。もう一度、他のフレーバーも含め拡販を図るという思いを込めて「あんこ餅」を開発した。

 あんこを粉末化したドライ商品では、アズキ本来の香りを出すことが難しかった。風味が飛ぶだけでなく粉が固まる特性もあった。しかし、伊勢本店の赤福、井村屋のあずきバー、愛知のしるこサンドに劣らない「アズキを水から戻し煮た家庭の味のあんこを乾き物で再現したい」(星野一郎会長)という強い思いで開発。独自食感の生地となじみも良く「渾然(こんぜん)一体となった香り、味、鼻に抜ける風味を賞味いただきたい」(同)と自信を見せる。

 「ふんわり名人」は、KSP-POSでも店頭カバー率が約50%。同時に発売する「みたらし味」や今後第2弾の味付もち商品も予定しており「カバー率を70~80%に拡大したい」(同)と鼻息も荒い。新商品発売を機にさらなるブランド強化を目指す。(山本大介)

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