野菜特集:安全・安心・おいしい野菜とはどんな野菜

2000.07.03 207号 2面

作り手が自らレストランをやろうと意欲を燃やす人、逆に料理人自らが畑にくり出し耕す人もいる。一方で、お互いプロにまかせればよいという人もおり、三者三様の意見がある。これもすべて「安全・安心・おいしい野菜」を提供したい、使いたいという思いから出た言動。農水省の改正JASが制定された。実効の時期は不透明だが、安全・安心・おいしい野菜への関心は確実に高まっている。そこで古来からの栽培法である土耕と有機農産物の圏外にある人工栽培の水耕、それぞれの特色をひき比べてみる。

農水省は4月1日、改正JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)のもと、有機農産物とその加工品に対しJAS規格に適合したかどうかの検査を受け、合格したものだけに有機JASマークが付けられるとした。

九二年に有機表示に関するガイドラインが示されたが、法的な拘束はなく、今回の改正JASは、法的に義務づけられたもの。

ちなみに有機農産物とは、化学的に合成された肥料や農薬の使用を避けることを基本として、播種または植え付け前二年以上(多年生作物にあっては最初の収穫前三年以上)の間、堆肥などによる土づくりを行ったほ場で生産された農産物となっている。

「第三者の認定機関は、そう簡単には出てこない。今年は無理、来年でも難しい。二、三年先になるのでは」という声も聞かれる。

また「有機農産物がすべてのようにいわれるが、有機が必ずしもおいしい野菜とは言い切れない。バランスが問題。水耕栽培で安全、おいしい野菜は十分にできる」という生産者もいる。

改正JASの対象外にある水耕栽培野菜は、野菜の品目に合わせた化学肥料を水に溶かした養液、これを土に替わるロックウール、ピートモス、樹皮などに播いた種に与え、生育させる人工栽培法。また光合成に必要な光も人工光。

すべてをコンピュータで管理されているため、計画生産でき、周年同品質で収穫可能。生食野菜の普及、近年の環境問題、衛生面の関心から昭和62年と比較し、平成9年では約三倍増の数値が出ている。ただ、一番のネックは設備費、ランニングコストのかかりすぎ。法人化によるスケールメリットでコスト削減を図る事業が多い。

自ら試行錯誤の土づくりをする生産者が「私は葉ものを集中して作っているが隣からもらったキュウリにこんなにうまいのかと感激した。良い土で作られ、鮮度があればおいしいものになると改めて確信をもった」。

「有機栽培、無農薬で自分たちで作ったトウモロコシでも、土壌にも適性があるのか千葉と長野の高原ではうまさが違う。鮮度だけでは言い切れないと思った」という料理人。

また「いままで水耕といえば水っぽい野菜と思っていたのが、土耕から水耕に転向した農家に行き、味わったトマトのおいしさに驚いた。目からウロコでした」というオーナーシェフもいる。

各人のおいしい野菜との出合いは有機栽培であったり、水耕であったり異なる培地ではあるが、他人がつけたマークで選択したものではないことは確か。

一般的に鮮度の高い野菜はおいしいとされる。生産者から市場を通り消費者の手に渡るまでには三~四日ということもある。こうしたことから「野菜にも賞味期限をつけたら」という意見も聞かれる。

やはり使い手が、安全・安心・おいしい野菜は何かを常日ごろ見分ける目を養うべきだろう。

生産者も手段は違いながらも自らもつ理念で野菜づくりをしている。これにこたえるのが料理人自らの見分ける確かな目と舌ではないか。

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