業務用・外食専門問屋の横顔 河原食品㈱ ホテ・レス、総菜分野を開発

1993.04.05 25号 21面

「スーパーは資本があったから大型店になったのではなく、消費者の要求に沿った経営の結果大型店になった」というほど、構造の変化をトップが読み取ることが重要な時代になっている。

昨年3月にハイテク文化都市を目ざす川崎市に本社・物流センターを新設したのが外食専門卸の河原食品㈱(川崎市川崎区殿町一‐八‐一)。同社は昭和29年に現会長の河原正元氏が食品卸売業を設立したのが始まり。その後は川崎の本社を中心に県内の厚木(神奈川)、茨城(結城)、八王子(都下)、千住(東京)に各支店を設立するなど首都圏一円に商圏を拡大、業界でも屈指の有力外食専門卸に成長している。

また、同社の主な販売先としては大手各企業、自衛隊、学校、病院、それに社員食堂、各弁当給食、惣菜工場といった集団給食施設(食材供給)などがあげられる。

ところで、昨今は景気後退のなかで各大手企業でも軒並み残業カット、さらには週休二日制、夏休みの延長など労働時間の短縮を図っており、いわゆる広義の“外食”のなかで最も安定した市場といわれた事業所給食などにもこの影響は若干出てきているようだ。

それだけに、同社の営業政策も徐々に変わりつつある。

新しいユーザーの開拓が積極化している。さらにホテル、レストラン、大型レジャー施設、惣菜分野などとの取組みだ。

本社のある川崎市も、かつての重工業都市からハイテク産業都市へ変貌、新しい高層ビルやホテルなど続々と建設されている。創業以来、約四〇年を経過、この間“蟹は甲羅に似せて穴を掘る”の諺ではないが、「分相応を知る」「堅実経営を企業経営の柱としてきた」(河原正樹社長)としてきたなかで、昨年の本社、物流センターの完成を機に、外食新時代のなかでどうリストラ、飛躍するかその可能性に期待がかかっている。

〈プロフィル〉

河原食品㈱

▽社長‐河原正樹

▽本社‐神奈川県川崎市殿町一‐八‐一、℡044・287・2121(代)

▽創業‐昭和29年7月

▽法人設立‐昭和40年9月

▽資本金‐三〇〇〇万円(受権資本)

▽取扱い商品‐乾燥食品、油脂、粉食製品、調味食品、加工缶詰、農水産品、冷凍食品、冷凍野菜、冷凍加工食品、冷凍肉類。

▽保管設備(本社)‐建築面積六九三・一四㎡、延面積一八九六・八三㎡。内訳①一階‐八基のドッグシェルター、五〇坪の荷捌場(定温管理)、三〇坪の冷蔵庫、一五〇坪の冷凍庫、他に三〇坪の荷捌専用の冷凍庫。二階‐二〇〇坪のドライ倉庫と三坪の冷蔵庫。三階‐事務室など。

▽仕入先‐味の素、エスビー食品、エム・シーシー食品、カゴメ、キッコーマン、キユーピー、大洋漁業、ニチレイ、ニチロ、日本水産、日本製粉、日本ハム、宝幸水産、ほてい缶詰、三井物産、明治製菓、ヤマサ醤油、吉原製油、理研ビタミンなど。

▽販売先‐日本電気、キャノン、東芝、日立、三菱重工業、オリエンタルランド、自衛隊、学校、病院、大手工場給食・社員食堂、各弁当給食、レストランなどの他に一五〇〇。

▽年商‐七二億円(平成4年6月期)

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