飲食トレンド:新生「レッドロブスター」、特化メニューで若者の集客狙う

2002.07.15 256号 1面

このほど、米国発のシーフード・レストラン・チェーン「レッドロブスター」が、ベンチャーリンクとタイアップで「牛角」チェーンを急成長させたレインズ・インターナショナル(以下レインズ)の傘下に入った。旧態チェーンが新興チェーンの後押しを受けて、どのようにリニューアルするのか。「レッドロブスター」の先行きがちょっとした話題となっている。

そもそも、最初に国内にレッドロブスターが登場したのは、昭和57年のこと。第一号店は東京・六本木にオープンし、当時は「米国発の高級シーフード料理が手ごろな価格。家族で楽しめる」というのが画期的で、大変話題を呼んだ。その後、神奈川県・江ノ島に二号店ができ、またたく間に全国にチェーン展開した。とくに、江ノ島店がオープンした昭和58年当初は、競合するファミリーレストランなど周囲に一軒も見当たらず、街道沿いが閑散としていた時代だ。

バブル期まで同社の経営は順調だった。バブル後半から競合するファミリーレストランチェーンが急増し、徐々に店舗数は伸び悩んだ。

「特に苦しかった時期は、バブル直後で、テコ入れ策として『エビ・カニ食べ放題!』の企画を展開したが、この戦略はブランドイメージを損なう結果となり、大きなダメージを受けた」(鈴木和範営業企画部長)という。

食べ放題メニューを廃止しブランドイメージの再構築を目指すレッドロブスターは、現在三三店舗。今後、レインズの傘下入りし次々斬新な戦略を打ち出していく予定だ。

第一弾として、価格改定とミドル層を狙った新メニューを展開。ボリュームダウンを基調に、「ロブスターフォンデュ」(一三八〇円)を七八〇円、「カリフォルニアチキンサラダ」(八五〇円)を五八〇円にプライスダウンするなど、値ごろ感を訴求する。

また、看板素材であるロブスターを前面に、「ロブスターSUSHI」(一二〇〇円)や、身がぎっしり詰まった浜ゆでの「オーストラリア産伊勢エビのテルミドール」(一九八〇円)、「シュリンプクラブサンド」(八〇〇円)など特化型メニューを新たに打ち出した。これらは、“和”の要素を取り入れた店特製のワサビマヨネーズが決め手だ。

今後は、さまざまな形態のレストランを手掛けるレインズのノウハウを吸収し、著名シェフプロデュースの新メニュー戦略などを積極的に取り入れるという。

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