業務用食材活用・成功事例ルポ:ラーメンさくらい 手間を省いて独自調味に磨き
東京は吉祥寺、「ラーメンさくらい」は、製麺会社の「さくらい商店」が東京・吉祥寺で経営する製麺所直営のラーメン店。昭和45年のオープン以来、TVや雑誌にたびたび登場する有名店だ。ここの看板メニュー「味噌ラーメン」にも業務用食材は活用されている。
開店以来、昼食時と夕食時には行列が絶えない繁盛店「ラーメンさくらい」の看板メニューは、売上げの三割を占める「味噌ラーメン」だ。製麺所直営店自慢の本格派ちぢれ麺もさることながら、風味とコクが凝縮された味噌スープが絶大な人気である。
この特製味噌だれの秘伝レシピに欠かせない業務用食材がある。
「ベースはエバラ食品工業の『熟撰味噌ラーメンスープの素』です」と鈴木店長。「ただし、これだけでは風味が足りないので、玉ネギ、ショウガ、ニンニク、酒をブレンドしたジュースを作り、業務用味噌『紅一点』と合わせ、仕上げにすりつぶしたごまを加える」という。
以前、味噌だれはすべて手作りだったが、食材問屋から勧められて同品を試してみたところ、とても高品質かつ省けた余力で独自調味に集中できるため、二年前から導入した。
「従来の基本工程は変えていないが、品質が安定し味に一段と磨きがかかった」という。
この特製味噌だれに、日本たばこ産業の牛と豚のエキスを原料とする「エキストララード」を加えてスープで割る。
こうして完成した味噌ラーメンは、ビルの地下という厳しい立地条件と、九時間という短い営業時間にもかかわらず、一日平均五〇~六〇杯、冬場には七〇~八〇杯を売上げ、常連客を中心に絶大なる支持を集めている。
ラーメン以外に米飯メニューもある。中でも人気は「エビチリあんかけチャーハン」だ。このエビチリのベースも業務用食材である。
味の素のCook Doの中華合わせ調味料「干焼蝦仁(エビのチリソース炒め)用」と、同じく味の素のレトルトパウチ食品「りんごとはちみつエビチリ用(惣菜の素)」をブレンドしてむきエビと絡め、チャーハンにかけている。
合わせ比率は、女性客の嗜好に合わせて、前品一対後品三を基準にしているが、オーダーの際、客の好みを聞いて、味を調整している。これが人気の秘訣という。
「できるだけお客さまの味の好みに合わせて料理を作りたい」と鈴木店長。そうした細かいサービスを維持するためにも、業務用食材は不可欠なのだ。
◆ラーメンさくらい(東京都武蔵野市吉祥寺本町一‐九‐一〇、三浦屋地下一階、電話042・222・8696)営業時間=午前11時~午後8時30分/坪数席数=三五坪三一席
◆常連客も納得の使用食材
●「熟撰味噌ラーメンスープの素」エバラ食品工業
製品特徴=数種類の味噌と香味野菜の風味を凝縮し、味噌のコクを全面的に出した味噌スープだれ。味噌ラーメンブームで一世を風靡した先発「札幌ラーメンの素みそスープ」シリーズの熟練プロ用版/製品規格=三・三キログラム缶(約六六人前)×六缶
●「Cook Do干焼蝦仁用」味の素
製品特徴=甘さやコクを付与する中華独特の調味料・チューニャンを加え、甘みと辛みのバランスのとれた色鮮やかな本格エビチリ調味料。本品一本(一リットル)で焼く四〇人前作れる。
荷姿=一リットル×六本
●「りんごとはちみつエビチリ用」味の素
製品特徴=市販製品「ごはんがススム君」シリーズのエビチリ専用調味ソース。食べやすく使いやすい甘みが特徴。辛みをやわらげる調味のアレンジに最適。女性、子供、高齢者に向く。