とんかつ「すずや」2種のメニューで日商20万円

1994.07.04 55号 7面

植込みのあるガーデンコートに面する一階に位置しており、店舗面積四二坪、客席数五〇席の中型規模の店だ。新宿・靖国通りと駅ビル(マイシティ)に一、二号店があり、用賀は三号店目の店。昭和28年に惣菜の店として創業したが、同40年にレストランに転業して再スタートした。

店の看板にすずや名物「とんかつ茶づけ」(九八〇円)とある。この店の売りものは、これに「ヒレかつ定食」(九八〇円)をプラスした二種類しかない。

正確にいえば、小さなポーションのヒレかつ定食(七八〇円)があるので、三種類ということになるが、料理の形態からすると二種類だ。

これら看板メニューに加えては、ポテトコロッケやエビフライ、ほたてフライ、旬のフライなどの揚げもの六品(各二二〇円)ほか、かぼちゃ煮、ゆば煮、きんぴらごぼう、大根サラダ、マカロニサラダなどの惣菜六品(各二八〇円)を提供している。

“主力メニュー”を絞り込んで、これらサイドメニューでバリエーションを持たせるというメニュー戦略だが、とんかつの店というカテゴリーの中でも、極めて特化した業態といえる。

「過去のノウハウを踏まえてシステム化と効率化を実現した業態で、いわばとんかつの“ファストフード”といえるかも知れません」(玉井透店長)

とんかつ茶づけは、とんかつが三切れくらいになったら、キャベツ、たれごと残ったごはんの上に乗せて、高菜などお好みの味つけで、お茶をかけて食べるというもの。

一つの料理で従来の食べ方とお茶づけで二つのバリエーションが楽しめるわけだが、とんかつはフライヤー(植物油)で三分であがるので、テーブル出しまで四分以内の早さ。客層は平日がサラリーマンやOL、土・日はファミリー客が主体で、客単価は一〇〇〇円。売上げは一日平均二〇万円前後。

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