’95外食産業今年の決め手 業務用食材・魚醤、チルド・冷食、増量たこ焼き
‐‐このほかに注目される調味料分野での期待商品はどんなものがありますか。
ネスレ日本の「チャンキーサルサ」(一・四キログラム)。これはトマトをベースにしたマイルドな味の辛味ソースで、若い人に人気のエスニック料理などには最適な商品で、面白い存在です。
エバラ食品の中華調味料「海味宝」(ホタテエビソース=三七〇g)や、ハウス食品のカレーのレトルトパウチ(一キログラム入り)などは安定した売れ筋商品ですね。
それと、旭フーズが昨年発売したエスニック風調味料「亜細亜の味」(一リットル)も、魚醤をベースにした調味料として面白いと思います。
‐‐次に、チルド、冷凍食品の部門での売れ筋、ヒット商品をあげて下さい。
「棒ヒレカツ」(一〇〇~一二〇g)、「十勝サクサクコロッケ」(一〇〇g)と業務用の冷凍食品を大ヒットさせたニチレイは、昨年も「パリパリ春巻」(三五g)、「サックリメンチカツ」(八〇g)、「カニ玉セット」(九〇g)など、連続してヒット商品を出しています。
「棒ヒレカツ」は、豚ヒレ肉を独自の技術で棒状にカット、荒めの生パン粉をつけた商品。工夫をこらした下処理と適温加熱技術によって冷めてもジューシーでやわらかく、しかもボリューム感があるというのがヒットした要因です。業態別でもファミリーレストラン、居酒屋、スーパーの惣菜売場で好評でした。
「パリパリ春巻」もパリッとした皮の食感、パリパリした揚げたての食感が約五時間も長続きするという画期的な商品。惣菜、外食パーティー、カフェテリア、ホテル、レストランなど幅広い外食ユーザーで支持されています。本物の味が手軽に、しかもいつでもどこでも食べられるという、いわば技術の勝利ともいえますね。
‐‐旭フーズの天心坊シリーズも、業務用の冷凍食品ではロングセラー商品ですね。
このシリーズ商品は、一般の中華レストランからホテル、飯店クラスまで幅広いユーザーの支持があります。「飲茶」「飯店」各シリーズとして、品揃え、品質、すべてにおいて独占しているといっても過言ではないでしょう。
また、昨今はタイで生産している、たこ焼「まるたこくん」が、中身のタコを増量し、街の屋台のたこ焼きにも劣らない品質のためビアレストランや居酒屋で売れています。
増量ということでは、日東ベストの「牛どんの素DX」(一八五g)、ヤヨイ食品の「特得牛丼の具」(二〇〇g)なども、喫茶店、そば店、テークアウト店、レジャー地などでの評価は高まっています。
‐‐最後に、チルド関連商品、ほかの冷凍食品での売れ筋商品をあげてもらえますか。
ケンコーマヨネーズの「FDF・ごぼうサラダ」(一キログラム)は、数年前からの大型ヒット商品として、この業界では知られていますが、「同・ハイポテトサラダ」(一キログラム)、「同・ジャーマンポテト」、「同・ハイソフトポテト」など一連のFDF(ファッションデリカフーズ)商品も、第二・第三の「ごぼうサラダ」として期待がもてます。
キユーピーの同じくエクシードシリーズ商品、「FDF・ポテトサラダ」(一キログラム)、「同・マカロニサラダ」(同)、「同・スパゲッティサラダ」など、チルドシリーズ商品も動きはいい。ほかの冷凍食品では加ト吉の「冷凍うどん」(二五〇g)、「銀座コロッケ」(一〇〇g)、味の素の「デリカ焼きギョウザ」(二五g)、日本水産の「野菜かき揚げ」(五〇g)なども、業務用の分野では健闘しています。