’95外食産業今年の決め手 自然の恵みふんだん、地中海の食材たち

1995.01.02 67号 18面

地中海式ダイエットやプロヴァンスブームに火がつき、今最も注目され、トレンドになっているのが地中海。パスタ、オリーブオイル、トマトなど自然の恵みをいっぱいにうけた食材がふんだんにある。特にパスタは低コストで主食になるため、低価格レストランを模索するチェーン店の必須アイテムになっている。九五年はアンチョビー入りオリーブペーストなどの珍味やミニ野菜といったより付加価値の高い食材が日本に上陸する予定で、地中海料理はブームから定着に移行すると見られる。

〈推奨商品〉

「ワイン」は九四年6月から商務部内に「ギリシャワイン振興会」(担当=石川恵子さん)を設立し、普及に弾みをつけた。

「フェッタチーズ」「ドルマイス」(ドルマダキーヤ)

〈九五年の新商品〉

「GILT‐HEAD BREAM」(金色の頭をもつタイ)

軽くバーベキューにして食す。東南アジア産に比べ高価なため価格が日本市場に受け入れられるかがカギ。輸入方法もクリオジェニック・メソッド(魚を仮死状態で水を抜いて空輸)のため新鮮で、輸送費も通常より安価。今後はオリーブオイルやワインの浸透にも注力する。

〈推奨商品〉

「バルサミコ酢」と「イカスミ」

〈九五年の新商品〉

有機栽培による無農薬パスタ「カッシーナ」「イカスミパスタソース」(小売用)、ウンブリア地方の「クリュ・オリーブオイル」(エクストラ・ヴァージン・オリーブオイル)

イタリア料理の健全な普及を見守りつつ現状の食材でさらに高品質低価格のものを普及・注力していく。

〈推奨商品〉

調理済み食材では「スープ・ドゥ・ポワソン」「ブイヤベース」などの魚介類の缶詰。地中海式ダイエットやプロヴァンスブームに火がつき今もっとも注目される。

〈九五年の新商品〉

「オリーブオイル」「蜂蜜」「ハーブ」「ロゼワイン」の特産品に加え、「ニンニク」「ミニ野菜」「クスクス」なども地中海食材として今年のトレンドとなる。クルミやハーブで風味付けした「オリーブオイル」は、魚を揚げるのに臭みをとる効果、サラダの風味付けが手軽にできるとして伸びそう。

珍味として「タプナード」(パンに付けたりサラダにあえたりするアンチョビ入りオリーブペースト)や「アイオリソース」(ニンニク風味マヨネーズで肉につけて食す)が注目商品。

現在プロヴァンス地方ではワインに関して同業者委員会が九三年から本格的に活動し始めており特産品のロゼワイン「COTE de Provence」(赤・白もある)を日本に売り込む。

〈推奨商品〉

「リオハワイン」(リオハ地方=特定原産地呼称認定されておりスペイン最大のワイン生産地)や「マンチェゴチーズ」

〈九五年の新商品〉

「シェリービネガー」(スペインのヘルス地方で作られるワインビネガー)と製菓類を日本市場に普及させる。

熟成に五~一〇年ぐらいかかるため、価格的には割高になるが、料理に一~二滴垂らすだけで引き締まった味になりバルサミコ酢よりも香り高い。

製菓ではケーキの代わりにクリスマス時期に食すアーモンドの粉と蜜で作った「トゥロン」。種類はチョコ、卵黄、ドライフルーツなど柔らかいものから堅いものまでさまざま。

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