メニュートレンド:テーブルに料理広げ手づかみで食べる 「ダンシングクラブ新宿」
エビやカニといった甲殻類料理は食べる時に殻をむくというひと手間が必要で、それを理由に注文を躊躇(ちゅうちょ)する人も少なくない。そんな欠点を逆手にとり、ワイルドに手づかみで食べるスタイルを打ち出して大ヒットを見せているのが東京・新宿の「ダンシングクラブ新宿」だ。
●豪快な食べ方が客を呼ぶ アジアンテイストの海鮮料理
同店は2014年4月にシンガポールで1号店がオープン。皿もフォークも使わずに手づかみで豪快に食べる斬新なスタイルが話題を呼び、同年10月には日本1号店が早くもオープンした。日本での運営はタイ料理店「マンゴツリー」や朝食レストラン「スラッピーケークス」などを展開するミールワークスが手掛ける。
料理はテーブル全体に敷かれた白い紙の上に直接置かれる。その料理を手づかみで食べるわけだが、これまで習慣としてきた食事マナーをすべて凌駕(りょうが)したスタイルにある種の高揚感を得ることができる。実際のところ来店客は「手づかみで食べるという非日常的な体験を目的に来店するお客さまが多い」と広報担当マネージャーの神事まゆみ氏と語り、ディナーのピークタイムは140席が予約だけで満席。週末となると1日500人を集客するというから驚きだ。
看板商品の「シーフードバッグ」はボストンロブスターやタラバガニ、ムール貝といったシーフード8種、ニンジンやポテトなどの野菜や肉6種、パンやパスタなど3種から好みの食材を選ぶ。それらをオリジナルのソースを絡めて提供するのだが、ソースはスパイシーなシグニチャーソースやマイルドなブールブランソースなど4種類から選べる。売れ筋は日替わりのカニ400gと魚介や野菜8種類がセットになった「クラブバッグ」6500円で2~3人分のボリュームだ。
料理のベースとなっているのは米国南部ルイジアナ州の郷土料理である「ケイジャン料理」。魚介や肉、野菜をスパイシーなソースで絡めて食べるという素朴なものだが、同店ではケイジャン料理のスタイルにナンプラーなどアジア料理のエッセンスを加えてアジア風にアレンジしている。
考えてみれば、エビやカニといった甲殻類料理は手で殻をむくことになる。それならば最初から手で食べてしまおうという逆転の発想がエンターテインメント性の高い業態づくりにつながったともいえる。15年8月には大阪・梅田の新名所グランフロント大阪に日本2号店をオープン。その注目度が全国に広まりつつある。
●店舗情報
「ダンシングクラブ新宿」 所在地=東京都新宿区新宿3-37-12 新宿NOWAビル2F/開業=2014年10月/営業時間=午前11時30分~午後3時30分(LO3時)、5時~11時30分(LO10時30分)、無休/坪数・席数=145坪・140席/1日最大客数=500人/平均客単価=昼2500円、夜5000円
●愛用資材・食材
ダイソン「ダイソン・エアブレード・タップ」
利便性とデザイン性に優れる
衛生意識の高い日本人が抵抗なく手づかみで食べることができるよう、手洗い場を店の中央に設置。蛇口と乾燥機が一体となったタイプで手洗い後に乾燥機まで移動せずに手を乾かすことができる。また、デザイン性にも優れているので店の景観を損ねることがない。
規格=高さ309×幅297×奥行286mm(ロング)