低糖質トレンド最前線!麺抜きラーメン特集:壱角家 温野菜350g以上で抑制と欲望を両立
【野菜にCHANGE】
●白飯注文3割!野菜汁定食の先駆けにも ジワジワ名脇役に育つ雰囲気
家系ラーメン「壱角家」(70店舗)は、麺の代わりに温野菜350g以上を投じた「ベジタブル家系」(680円・税込み)を開発。5月10日~6月30日に期間販売を行い、好評を得たため、8月4日からグランドメニューに昇格させた。販売実績は多い店で月間約150食、少ない店でも50~60食。「主力ではないが、低糖質に関心のある客層を確実につかんでいる」(広報)と、固定客の新規開拓に手応えを得ている。
ベジタブル家系は、麺(生170g)の代わりに、ボイルしたモヤシ、キャベツ、玉ネギ、ニンジンを家系(豚骨醤油)スープに投じた麺抜きラーメン。「糖質90%オフ、炭水化物0」が売り物だが、濃厚な家系スープとボイル野菜の相性が良く、低糖質ながらも食べ応えは十分。抑制と欲望を両立した、まさにWin-Winのメニュー開発事例といえる。
調理方法は、野菜をテボに入れ、ゆで麺機で約20秒ボイルし、家系スープを張った器に投じるだけ。調理ポイントを上げるならば、キャベツの切り幅。試行錯誤の上、家系スープとのバランスが良い6mmに落ち着いたという。
商品開発に当たった川村直一氏は「果たして売れるのか。正直、半信半疑でした」と明かし、「実売するとすんなり受け止められました。経験上、一過性ではなくジワジワと固定客を増やし、名脇役に育つ雰囲気」と説く。
加えて想定外の珍現象が一つ。「白飯を注文する客が約3割」(広報)という食べ合わせだ。家系ラーメン店は白飯無料がお約束。「無料とはいえ、考えもしなかったニーズ」だという。中華料理店の「野菜炒め定食」ならぬラーメン店の「野菜汁定食」として、定番化の先駆けになるかも!?
●白飯の代わりに素揚げ野菜350g以上 系列肉丼店は日販20~30食
「壱角家」系列の肉丼チェーン「情熱のすためし どんどん」(19店舗)は、ベジタブル家系の好評にならって9月4日から全店で「ベジタブルすためし」をメニュー化した。豚肉との相性、既存機器のスペックを踏まえ、野菜はボイルではなくフライヤーで素揚げに。こちらは壱角家を大幅に上回る日販20~30食の人気ぶりだ。テークアウトならもっと売れるかも!?
◆概要
「壱角家」 経営=ガーデン/店舗数=70
所在地=(本部)東京都新宿区新宿2-8-8 とみん新宿ビル