海外通信 外食ビジネスの新発想(16)アメリカで流行しつつあるダンプリング
●食事に、スナックに、デザートに 形も味もバリエーション豊富
ダンプリングとは、小麦粉を練って生地を丸めたり具を包んだりして調理した、だんごやまんじゅうのこと。ラーメンは数年で一気に全米に広がっていったが、ダンプリングもしかり。まだラーメンほどの広がりはないものの、あちこちに専門店が見え始めた。
今回紹介するのは、サンフランシスコの「ダンプリング・タイム」。店内では、清潔なオープンキッチンで、スタッフがせっせとダンプリングを蒸したり、焼いたり、揚げたり、ゆでたりしている様子がうかがえる。同店では、見ての通り、生地から手作りした出来たてのさまざまなダンプリングがリーズナブルに食べられるのだ。
メニューに連なるのは、蒸しまん、焼きまん、ギョウザ、シュウマイ、小籠包(スープ・ダンプリング)、蝦餃(蒸しエビギョウザ)、あんまんなどの他、手打ち麺や箸休め用の野菜ものも。食事としても、スナックとしても、デザートとしても、気軽に立ち寄って食べられる。
メニューは、オーセンティックなものとオリジナルのものがある。例えば、シュウマイは、エビと豚肉などの定番に加え、ロブスターにバター、チャイブ、白トリュフのオイルが入ったオリジナルものがある。ギョウザもしかり、豚肉や鶏肉の定番の他、シーフード(カニ、ホタテ貝、エビ)とホウレンソウとチリバター入り、和牛、キャベツ、ショウガ、黒トリュフ、椎茸入りのものがある。外はパリパリの香ばしい焦げ目が付いている。
中でも注目は、スープ・ダンプリング。スープ(肉汁)たっぷりのジューシーな小籠包だ。エキストラ・ラージの「キング・ダム」と名付けられたそれは、ストローでスープを吸いながら食べる巨大小籠包。満足度100パーセント。このスープ・ダンプリングは、目下、アメリカ各地で流行中。変わったところでは、シーアン・ダンプリング。ベジタブルと豚肉入り、羊肉入りがあり、ゆでダンプリングを見た目うるわしくカラフルな野菜で飾り付け。
締めくくりは、デザートまん。グリーンティーの生地にミルクあん、ビーツの生地にタロイモあん、普通の生地に卵の黄身のあんというカラフルな三色あんまんだ。
ダンプリングは、形も味もオリジナリティーを発揮できる上、スナックとしても、食事としても食べられ、いつ何時でもダンプリング・タイムだ。アメリカ人受けする手軽さ、多様さから、こうしたダンプリング各種を一堂に集めたダンプリング専門店は増えていくことだろう。
●店舗情報
ダンプリング・タイムー(Dumpling Time)
所在地=11 Division Street, San Francisco, CALIFORNIA
◆代表メニュー
・キング・ダム(1個9$)
・ハッピー・エンディング(3個6$)
・豚まん(3個6$)