多忙でも読める外食ニュース

2020.02.03 492号 04面

 ●マックがアパレル企業とのコラボ福袋

 ●日本マクドナルドは、ファッション衣料・雑貨チェーンの大手アダストリアが展開する主力ブランド「ニコアンド」と提携した「マクドナルドの福袋」を、2020年の年始から数量限定で販売した。この福袋には、両ブランドがコラボしたトートバッグやタオル、食器などのほか、マクドナルドの商品券が含まれており、販売価格は税込み3000円。東京・原宿にある「ニコアンド」の旗艦店のほか、アダストリア社の公式Webストアでも同時に各20個のみ発売された。

 解説=福袋に入れられた商品券の総額は販売価格を上回り、さらに福袋10個に1個の割合で500円分の特製「金のマックカード」も加わるなど、お得感も十分。販売が開始された1月1日から、早々に完売する店舗が出るなど人気を集めていた。

 ●吉野家HDが子会社のアークミールを安楽亭に譲渡

 吉野家ホールディングスが、連結子会社であるアークミールを焼肉業態「安楽亭」を展開する安楽亭に譲渡する契約を締結した。アークミールは、2008年(当時の社名は、どん)に吉野家ホールディングスの傘下に入り、15年に100%子会社となった。現在は「ステーキハウス フォルクス」や「ステーキのどん」「しゃぶしゃぶ どん亭」など、肉系ブランドを160店舗近く運営している。安楽亭の店舗数は現在220店舗ほどで、今回の買収で大幅に店舗数を増やすことになる。

 解説=アークミールが展開するステーキ業態「フォルクス」は、かつてスーパー業界のトップであったダイエーが1970年に外食事業として創業したブランド。2005年に、後発のステーキチェーンであるどん(当時)へ売却された。

 ●JR東日本がグループの外食子会社2社を合併

 JR東日本は、同社グループ内の外食事業会社である日本レストランエンタプライズ(NRE)とジェイアール東日本フードビジネス(JEFB)を合併すると発表した。NREは1938年に日本食堂として設立され、駅弁や車内販売などを担ってきたグループ内の老舗企業。JEFBは89年、グループ内における新たな外食分野の基幹企業として設立され、ファストフード業態の「ベッカーズ」などを展開している。両社の合併は4月を予定しており、存続会社はNREで、合併後の新社名はJR東日本フーズとなる。

 解説=旧国鉄時代の背景から、JRの駅ビルや飲食サービスなどの分野は地域などで独立会社を設立していた場合が多く、民営化後は順次それらの統廃合を行ってきた。今回は、外食分野で最後に残った大型事業会社2社の統合となる。

 ●米アイス「ベン&ジェリーズ」日本撤退

 米国のプレミアムアイスクリームブランド「BEN&JERRY’S(ベン&ジェリーズ)」が日本国内から撤退となった。同店は2012年に東京・原宿の表参道に1号店を出店。同年に同・吉祥寺に2号店、翌年には商業施設「ららぽーと豊洲」のフードコートに3号店を出店し、その後も商業施設や各地でのイベント出店など展開を進めたが、17年までに数店舗を閉店。以降、店舗は「ららぽーと豊洲」を残すのみとなっていた。今回、同店も閉店し、3月にはカップアイスの卸売からも撤退するという。

 解説=同社を展開していたユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングは、撤退の理由を「原材料の調達」問題であると伝えている。しかし、国内の高級アイスクリームブランドの多くは、コンビニとの競合で苦戦している。

 ●キリンB、米クラフトビール旗艦店を出店

 キリンビールが、米国のクラフトビールメーカーであるブルックリン・ブルワリーの旗艦店を東京・日本橋に出店。店名を「B(ビー)」と名付けられたこの店舗は、席数120席の大型店で、「ブルックリン・ブルワリー」ブランドの主力商品をはじめ、同店にしかない直輸入ビールやオリジナルのビアカクテルなどを提供する。また、店内で音楽やアートのコンテンツを展開し、イベントなども実施する計画。同ブランドの旗艦店舗を常設店舗として出店するのは、世界でも初めてという。

 解説=数年前の勢いは失われたが、クラフトビールの人気はまだ根強い。メーカー各社もそれぞれの取り組みを行っているが、中でもキリンは「スプリングバレーブルワリー」など、独自のブランド創出に積極的であるようだ。

 ●「ディーン&デルーカ」病院内カフェを出店

 「DEAN&DELUCA(ディーン&デルーカ)」が、病院内店舗を初出店。慈恵大学病院の中にオープンした同店は、限定メニューや車椅子への対応、点字メニューなど、病院独自のサービスを充実させている。

 ●豊洲市場「千客万来」の暫定営業施設が開業

 東京都の豊洲市場隣で民間事業者が開発する「千客万来施設」は2023年のオープン予定だが、それまでの期間、暫定営業を行う施設「江戸前場下町」が開業。豊洲市場の食材を生かした寿司などの飲食店や食物販店など、約20店舗が入居。運営は三井不動産。

 ●麦の穂が和食の小型店、おむすびと茶漬けが主力

 シュークリームの「ビアードパパ」を展開する麦の穂は、東京・新橋に出店した新業態「カタトソデ」に続き、和食の新業態「小昼庵」を神奈川・川崎の商業施設「アトレ川崎」にオープン。おむすびと茶漬け、味噌汁を中心にしたテイクアウト型店舗。共有客席でイートインも可能。

 ●JR東日本フードロス削減の実証実験

 JR東日本のグループ会社でベンチャービジネスを支援するJR東日本スタートアップが、エキナカ店舗で販売できなかった食品を、駅で働く従業員に販売するサービス「レスキューデリ」の実証実験を開始した。フードロスの削減を目指すベンチャー企業とタイアップ。

 ●台湾高速道路SAで日本食施設開業

 公園や商業施設の屋上などでバーベキュー施設をヒットさせたデジサーフが、台湾のフォルモサ高速公路にある清水(チンスイ)サービスエリア内に、日本食をテーマに飲食と物販のスペースをプロデュース。寿司やラーメン、丼物、土産物などを提供する。

 ●ゼットンが六本木の新ホテルにレストラン

 ゼットンが、東京・六本木の「三井ガーデンホテル六本木プレミア」最上階にバルコニー席付きレストラン・バー&ラウンジの新業態「バルコン・トーキョー」をオープン。店舗デザインは近年インテリアだけではなく商品デザインなども手掛けるグラマラスの森田恭通氏。

 ●ワタミ渡邉美樹会長長男が執行役員就任

 ワタミの代表取締役会長兼グループCEOである渡邉美樹氏の長男、渡邉将也氏が1月1日付で同社執行役員に就任。将也氏は海外の金融機関を経てワタミに入社し、外食や介護などの分野に携わった。今後は海外事業本部長として、同社の海外展開を担当する。

 ●米国料理ワッフルチキン専門店がオープン

 ポトマックは、日本で初めてというワッフルチキンの専門店「ワッフルチキン ホーミーズ」を、東京・新宿の商業施設「ルミネエスト新宿」に出店。ワッフルとフライドチキンに、メイプルシロップのような甘いソースなどをかけて食べる米国の伝統的な定番メニュー。

 ●「焼肉ライク」の新店、完全セルフサービス

 ダイニングイノベーションが展開する「焼肉ライク」の千葉県にオープンした新店舗「船橋ららぽーと前店」では、注文から配膳、会計まで完全セルフサービスを採用。来店客がタッチパネルでセルフオーダーし、注文品は自分でカウンターまで取りに行く。会計はセルフレジで済ませる。

 ●30種のバラエティー、肉の寿司店が開業

 焼肉の「kintan(キンタン)」などを展開するカルネヴァーレは、魚ではなく肉を使った寿司の新業態「牛肉寿司 きんたん」を東京・銀座にオープン。牛肉のさまざまな部位をにぎり寿司や海苔巻き、軍艦巻きなどに仕上げた焼肉寿司は約30種類。焼肉店の新しい展開として興味深い。

 編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)

 http://www.eatworks.com/

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