看板メニューの豚カツは、人の体温以下の融点で口の中でとろけるような“奇跡の豚”と称される「LYB豚」を使用し、ラードの脂で二度揚げ。豚カツはメインで注文する前提で料理を注文し、お酒と共に楽しみたい

LYB豚とじないかつ丼　2,950円（税込み）　あの「令和の虎」で絶賛された一品。卵でとじず、豚カツの上に卵をのせて仕上げている

　豚カツを前面に打ち出した豚カツ酒場「食事処GOEN」が5月、オープンした。同店を運営するGardeniaの横瀬純也代表取締役は、老舗豚カツ専門店「とんかつ新宿さぼてん」に入社して豚カツ調理の基礎を学び、その後も創作豚カツ店と居酒屋で研さんを積んだのち、YouTube「令和の虎」に志願者として出演。「豚カツが名物の食材にこだわった居酒屋以上割烹未満の店」をプレゼンして資金を獲得し、「食事処GOEN」を立ち上げた。

　豚カツ専門店ではなく、あえて“豚カツ酒場”を打ち出したのは「独立するならお客さまとコミュニケーションが取れる酒場を手掛けたかったが、単なる居酒屋で成功するのは難しい。最も得意とする料理を武器に勝負した方がいいと考えた」（横瀬代表取締役）と言う。

　“豚カツ酒場”のコンセプト通り、昼は豚カツ定食の店だが、夜はさまざまな料理をアテにお酒を飲み、メインに豚カツを食べる楽しみ方を提案している。「メインには必ず豚カツを食べてほしい」（同）と、さっぱりとした冷菜を揃え、従来の居酒屋と比べて揚げ物メニューは少なめにしている。

　個性のない平凡な居酒屋では集客が難しい昨今、同店のような最も得意とする名物料理を中心に据えて展開する“メニュー特化型酒場”は今後、主流となっていくだろう。

　●店舗情報

　「食事処　GOEN」

　経営＝Gardenia／店舗所在地＝東京都目黒区自由が丘2-8-8ルシエルブルー201／坪数・席数＝22坪・34席