アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:暑さ対策、あの手この手
●最先端の繊維技術をおしゃれに
梅雨を感じる間もなく真夏のような日本列島。以前から熱中症のリスクが各所で言われてきましたが、6月1日には労働安全衛生規則が改正され、企業にも対策が義務づけられました。しかも、罰則付きです。繊維・ファッションビジネス業界でも、電動ファン付きウェアのほか、機能をうたった製品・サービスが目立ってきました。
代表例がウェアラブルデバイスです。先行するミツフジ(京都府精華町)は4月から、作業者の猛暑リスクを可視化するリストバンド型「ハモンバンド S」(税込み1万780円)を販売し、建設や運輸業界を中心に4万3000本以上を供給しました。脈波から深部体温の上昇と下降の変化をリアルタイムで推定・可視化するアルゴリズムを搭載しています。
東レでは、遮熱性や遮光性、UV(紫外線)カット性を備える生地「サマーシールド」が日傘用で好調です。特殊な3層構造の生地で、UV遮蔽率は99.9%以上とか。その鉄壁とも言える機能が体感できるため、販売は年率10%増で拡大中。日傘市場(年間約400万本)の10%を超えそうです。
AOKIは、しわなどの原因とされる近赤外線とUVをカットする「キンセキカット」シリーズを販売しています。「スキンケアを着る」発想で、日傘や帽子、ジャケット、カーディガンなどおしゃれな商品を揃えています。
(繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)