2026年2月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2026.05.04 567号 05面

●売上げ前年比6.6%増

日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2026年2月度売上げは、前年同月比6.6%増となり、51ヵ月連続の増加を記録した。

2月は、年始需要の反動減から前半は低迷したものの、毎年の傾向を見越した各チェーンの「お得キャンペーン」が続いたことや、例年よりも気温がやや高めだったことも客足の増加につながったことから、客数は前年同月比3.9%増、客単価も2.6%増となった。

業態別では、前年比を下回った業態は9月の36業態から10月は24業態、11月と12月は14業態、1月は13業態と落ち着きを見せていたものの、2月は27業態と昨年10月以来の増加となった。

●飲食店買収時の留意点とは

本稿でもたびたび取り上げている大手外食チェーンによる同業チェーンのM&A(買収)に加え、昨今の厳しい事業環境の変化に店主の高齢化も加わり、大手チェーン以外にも小規模チェーンや老舗の個人店を買収するM&Aも増加傾向にある。

そこで今号では、小規模チェーンや個人店を買収する際に気を付けるべき五つのポイントを、その理由と対策を合わせて解説しよう。

(1)高いオーナー依存度

▽理由=小規模チェーンや個人店、地域密着型の店などでは、オーナー経営者のカリスマ性、人脈、または常連客との個人的な関係で売上げが成り立っていることが多く、オーナー交代に伴い客離れが起きるリスクがある▽対策=買収後も一定期間(半年~1年程度)は、顧問や店舗責任者として現場に残ってもらう「引き継ぎ期間(ロックアップ)」を契約に盛り込み、徐々に新体制へ移行させることも要検討。

(2)「どんぶり勘定」と実態収益の乖離

▽理由=飲食店に限ったことではないが、一般的に小規模事業者では、節税目的で経営者の個人的な支出(交際費、車両費など)が経費に含まれていたり、現金売上げが正確に計上されていないこともあり、決算書と実際の収益力にズレがあることも少なくない▽対策=買収時の調査を徹底し、事業に無関係の費用を除いたり、未払いとなっている経費を計上することで「正常収益力(実力値としてのEBITDA)」を正確に再計算(修正)する必要がある。

(3)労務問題

▽理由=飲食業界は長時間労働になりがちだが、小規模店ではタイムカードの管理が甘く、正確な残業代が支払われていないケースが散見される。買収後に従業員から未払い賃金を請求されるケースも発生しており、業歴が長い店では買収額以上に巨額な追加費用が発生する可能性もある▽対策=買収時の労務デューデリジェンスでは、勤怠記録と給与計算を精査する。リスクが発見された場合は買収価格から減額するか、契約書に「表明保証条項」を入れて対策。

(4)キーマンや従業員の離職

▽理由=料理長や優秀な店長など、現場を回しているキーマンが、「オーナーが変わるなら辞める」と離職してしまうこともあり、店舗運営そのものが立ち行かなくなる▽対策=買収発表のタイミングと伝え方を慎重に検討する必要がある。キーマンには事前に個別の面談を行い、待遇の維持・向上や、彼らの裁量を一定程度残すことを約束して安心感を与える。

(5)賃貸借契約の引き継ぎ(チェンジ・オブ・コントロール)

▽理由=店舗の賃貸借契約には、「経営者が変わる場合(株主交代など)、家主の承諾が必要」という条項が含まれていることがある。契約変更の際に対応を間違えると、家主から契約解除や家賃の値上げを要求され、営業継続が困難になるリスクがある▽対策=M&Aの最終契約を結ぶ前に、売り手に対して家主への事前相談をお願いして、賃貸借契約が同条件で継続できることを確認(または書面で合意)した上で最終契約を進めるべき。

このほかにも、外国人を雇用している場合の在留許可や、食品衛生関係の許認可、補助金や助成金を受けている場合は、申請~活用~報告が適切になされているかなどの確認は必須となる。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら