メニュートレンド:シカ・イノシシ・キジを七輪で炭火焼き 「ジビエ専門の焼肉店」
品揃えする肉はハンターが仕留めた野生のエゾジカ、イノシシ、キジといったジビエ肉だけという斬新な焼肉店が東京・八丁堀の「焼ジビエ 罠」だ。これまで一部の高級店でしか食べられなかった希少肉が、客単価3500円の気軽さで食べられると連日満席の盛況ぶり。今後さらに注目度が高まる可能性を秘めた食材である。
●低カロリー栄養豊富で女性客に人気
「日本に昔からあってなじみの少ない食材を探していた時に出合ったエゾジカの味にほれ込み、イノシシやキジも含めた日本のジビエ肉を普及させたいと考えたのです。ジビエ肉の個性をシンプルに伝えようと考えて焼肉のスタイルを選びました」と同店をプロデュースした夢屋代表取締役の小林研さんは語る。
現在取り扱うジビエ肉は北海道知床産のエゾジカのロース、シンタマ、外もも、長崎産の山鯨(イノシシ)の上ロース、上もも、ばら、淡路島産の猪豚のシロ、レバー、宮崎産のキジのむね、もも、ささ身と、部位ごとで10品前後を揃える。
すべてハンターから1頭丸ごと直接仕入れることでコストを抑制し、「蝦夷ジカ外もも肉」(680円)、「山鯨肉上ロース」(980円)、「キジ肉もも」(1140円、100g当たり)とリーズナブルな価格設定で、気軽にジビエ肉が楽しめる。また初来店のお客のほとんどが「何から食べたらよいかわからない」ため、その日のお薦め肉3種類と野菜も付けた焼ジビエ三点盛をお得な980円で用意しているのもうれしい。
すべての肉は塊で保存して注文を受けてからカットするため、鮮度のよさは抜群。ジビエ肉は熟成させるものというイメージがあるが、新鮮な肉はさっぱりとしてたくさん食べてももたれないと女性客にも好評。鉄分やビタミンBといった栄養も豊富で、しかも低脂肪低カロリー。ヘルシー食としても、注目度の高い食材だ。
「同店の焼肉スタイルは食材・調味料・マニュアルを揃えてフランチャイズ(FC)パッケージを構築しており、直営とFCの2方向でジビエ肉の普及を促していきたい」と小林さんは語る。またジビエ肉をビストロ料理で楽しめる店「Nico」を東京・神田にオープンするなど多彩な角度からジビエ肉の大衆化に意欲を見せている。
●店舗情報
「焼ジビエ 罠」 店舗所在地=東京都中央区八丁堀3-20-11、電話03・5542・2229/開業=2012年4月/営業時間=午後5時~11時半(金~翌1時)、日・祝日休/坪数・席数=7坪・24席/客単価=3500円
●愛用資材・食材
「コクとうま味のノンオイルたっぷり野菜」 規格=1L(冷蔵) ミツカン(愛知県半田市)
・野菜たっぷり、ヘルシー感も訴求
サイドメニューの罠サラダ(パクチーサラダ)は、パクチーのさっぱりとした香りと食感がジビエ肉とよく合い、人気のメニュー。そのドレッシングとして使用しているのが同商品だ。濃厚なノンオイルタイプ。醤油ベースでうま味や甘味の感じる飽きのこない味に仕上げている。玉ネギ、ニンニク、赤ピーマン、椎茸といった野菜をふんだんに使用して、具材感をしっかりと表現している。一度振ると長時間具材が沈まない。