電化厨房特集:「快適厨房コンテスト2008」入賞作品を発表 博報堂DYグループなど10施設表彰

2009.05.01 356号 12面
最優秀グランプリ=博報堂DYグループ「100 tables」

最優秀グランプリ=博報堂DYグループ「100 tables」

表彰式で賞状・記念盾を手にする受賞者

表彰式で賞状・記念盾を手にする受賞者

 衛生管理の徹底や作業環境の快適化、生産性とサービスクオリティーの向上、省エネルギー・省コストの推進などに貢献する優れた電化厨房施設の顕彰を通して、人や環境にやさしいハイパフォーマンスな厨房施設の普及拡大に寄与することを目的として開催されている「快適厨房コンテスト」。その2008年度の入賞作品の発表と表彰式が、このほど開催された「電化厨房フォーラム21」の平成21年度総会で行われた。

 第6回目となる今回のコンテストには、20点の応募作品が集まり、7人の審査員によって「生産性、職場としての快適性」「安全・衛生」「環境保全への配慮」「食べ手へのサービス」などに関する11項目についての厳正な審査が行われた。その結果、10施設が入賞作品に選ばれた。

 入賞作品は、社員食堂、弁当調理施設、病院、介護施設、学生食堂、学校・保でいることを象徴する結果となった。

 審査員全員からは、応募作品全体のレベル向上が著しいとの感想が寄せられるなど、電化厨房の特徴を有効活用した新しい設計ノウハウが、着実に浸透しつつあるようだ。

 表彰式では、電化厨房フォーラム21会長の浅野和夫氏(日本エスコフィエ協会会長)から受賞者に表彰状、賞金目録、記念盾が贈呈された。

 ◆特別賞

 ・かがやき賞=医療法人社団協友会柏厚生総合病院

 ・ほんわか賞=特別養護老人ホームさつき荘

 ・エコシステム賞=大井町立学校給食センター

 ・愛情食堂賞=法政大学小金井キャンパス東館食堂

 ・わくわく賞=社会福祉法人大五京e-保育園

 ・自然との調和賞=エーザイ(株)筑波研究所

 ・士魂商才賞=Vecchia Lanterna

 ◆審査委員

 大西元年(社団法人全日本司厨士協会理事長)/鈴木久乃(女子栄養大学名誉教授)/村川三郎(広島大学名誉教授)/熊谷喜八(キハチアンドエス代表取締役)/種田由紀子(宮川フードサービス研究所所長)/遠山敏之(日経レストラン前編集長)/森佑子(森厨房設計室) (敬称略)

 主催=電化厨房フォーラム21(東京電力株式会社)

 後援=社団法人空気調和・衛生工学会、社団法人日本厨房工業会、有限責任中間法人日本エレクトロヒートセンター、社団法人全日本司厨士協会、社団法人日本エスコフィエ協会

 ●最優秀グランプリ 博報堂DYグループ「100tables」

 電化による効果を数値化

 ◇評価ポイント=施設を作るにあたり、当初から「人・食材・設備」などを総合的に勘案した設計がされていることで、バランスのとれた厨房となっている。換気設備には、天井換気システムを採用しており、効率のよい換気と快適な厨房空間を実現している。設備面では、パイプシャフト・コンクリート仕様などを採用することで、衛生面・清掃面も十分に考慮されて作られている。調理行程の見える数値化については、電化のメリットをうまく活用しており、このコンテストの意識に沿った作品として評価できる。お客さまへの質の高いサービスの提供、働くスタッフに対する快適な厨房環境と安全性の確保など、グランプリにふさわしい。

 ●最優秀賞 人形町今半白河センター

 老舗伝統の味の再現評価

 ◇評価ポイント=新築ではなく、建築法規上の理由を解決させる物流倉庫の再生という手段も評価。資源の保全、CO2削減、二重壁による断熱効果など種々の利点も生み出している。建屋の中に2階建てを作り、天井高を電化でうまく利用している。厨房の区画、機器の配置など、十分に工夫されたレイアウトと同時に、老舗の伝統の味を電化で再現した点が評価された。

 ●優秀賞 医療法人済恵会須藤病院

 新調理システムを充実

 ◇評価ポイント=小規模病院ながら、電化厨房のメリットを生かし新調理システムを十分に活用している。時代背景として病院の給食収入が減少し、特に小規模病院での病院給食が次々と簡易化されている。そうした大きな流れの中で、患者中心に配慮し、選択・個別メニューに対応しているのは非常に素晴らしい。

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