シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~
本連載は食品ジャーナリスト・フードサイエンティストとして国際的に活躍し、働く女性として時代を切り開いてきた第一人者であり、アジア人女性初のIFT(食品科学技術者学会)フェローである久保村喜代子氏が現在の日本における食事情を問うものだ。日本の食品産業が真にグローバル化するために必要な戦略と製品開発、紛争や疫病などへの対応、原材料問題、価格問題、最新のフードサイエンス動向など、多様な視点から食品産業を担う次世代に向けたメッセージを10回に分けて掲載する。
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(10)海外の製品開発に日本…
連載 素材 2023.02.06新製品開発をサポートするたび、若いスタッフに対して製品へのコンセプトメーキングに重要なのは「フレーバー」を決めることだと伝える。新製品は、既存製品と比較して「何が違う」「その差異は何」「好きか嫌いか」という客観的な風味評価が基本となる。新製品開発で何が…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(9)消費者の信頼得る努力が…
連載 総合 2023.01.11昨今、最も熱い新製品開発の話題は、代替肉を含むタンパク質代替物だろう。食物システムの三つの害は(1)環境への害(2)抗生物質耐性(公衆衛生)(3)工業的農業による動物への害など--が挙げられる。2050年には世界人口が100億人に達すると予想される。人…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(8)新製品開発は加工食品開…
連載 総合 2022.12.07欧米における新製品情報に日本からの発信が、なぜか常連のように取り上げられている。それは、コロナ禍まで毎年展開される製品が約6000アイテムとすごい数だからだ。 日々、食品メーカーの開発担当者や営業マンは、コンビニエンスストア(CVS)の棚の場所取り…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(7)欠かせない「Ratio…
連載 総合 2022.11.14ウクライナ問題、世界的な社会不安、気象変動など、製品開発に必要な原材料供給事情やその流通・市場の問題が一層深刻になっている。 2001年9月11日に米国で起きた同時多発テロが世界を震撼(しんかん)させた翌月早々、私はフードテクノロジストとして、ペン…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(6)技術革新で加工効率の向…
連載 総合 2022.10.19昨今の厳しい世界情勢の中、加工食品市場は、数々のアナリストらによると2025年には約640兆円になると推測され、20年から25年にはCAGR(年平均成長率)約4.1%と、成長が見込まれる。直近のグローバライゼーションで最も注目されているのは、アジア太…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(5)ビジネスや商流変化、嵐…
連載 総合 2022.09.30加工食品および飲料メーカーを取り巻く環境は厳しさを増し、世界の食品・飲料メーカーの年間売上げトップ10にはわが国のランク入りはほど遠い。(US Food Engineering誌年次報告書より推定)。 食品企業グローバル化の理解には、世界人口の増加…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(4)輸入加工食品原材料
連載 総合 2022.08.29●2ヵ月に一度の値上げ 報道で価格改定のニュースを見るたびに、栄養価と物価の優等生である卵の価格が頭に浮かぶ。夏の暑い時期やゴールデンウイーク、年末年始には決まって、新聞折り込みに“卵1パック”の価格が大きく載る。定点観測に訪れる海外のグロサリース…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(3)輸入依存の国と食品産業…
連載 総合 2022.08.08●食料輸入厳しさ増す 「腹が減っては戦ができぬ」という言葉がある。いくら「腹が減っても戦はできる」と自分に言い聞かせても、食欲を抑えることは不可能に近い。 世界中の国が、その歴史の中で飢えを経験してきた。わが国の第二次世界大戦後の食糧事情や食品産…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(2)深刻な原材料不足問題
連載 総合 2022.07.15●加工用食品原料食品添加物など 新聞、雑誌、TVなどのマスメディアによって、食品やその原材料、加工食品に関する大量の情報が、日々不特定多数の人々に発信されている。彼らは第2次世界大戦後をほうふつとさせる食料事情だと錯覚しつつ、途上国の人々の食料不足…続きを読む
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シン・グローバリゼーション ~日本の課題と挑戦~(1)次世代食品産業問題
連載 総合 2022.07.06本連載は食品ジャーナリスト・フードサイエンティストとして国際的に活躍し、働く女性として時代を切り開いてきた第一人者であり、アジア人女性初のIFT(食品科学技術者学会)フェローである久保村喜代子氏が現在の日本における食事情を問うものだ。日本の食品産業が…続きを読む